練習の科学⑧ブロック練習とインターリービング練習
練習の科学シリーズの8回目です。
今回は「ブロック練習」と「インターリービング練習」について勉強していきましょう。
まずブロック練習とは,1つの課題を連続して練習して,マスターしてから次の課題に移るという練習方法のこと。
対してインターリービング練習とは,練習の順番を意図的にバラバラにして練習する練習方法のことです。
これらの練習方法について知り,上手く使いこなすことで練習効果はアップします。
ブロック練習って具体的にどんな感じ?
先ほど書いた通り,ブロック練習とは
1つの課題を連続して練習して,マスターしてから次の課題に移るという練習方法
です。
具体例がないとピンとこないかもしれませんので,ダンスのシーンにおいての具体例を紹介します。
ダウンのリズムの練習を集中して行い,できるようになったらアップのリズムの練習に移る。
発表会の時期みたいに,同時期に複数の振付を練習しなければならない場合,作品Aの振付だけをしばらくの間練習し,踊れるようになったらBの作品の練習を始める。
直感的には,いろいろなことに手を出しすぎると混乱し,何も身につかないから1つのことに集中したほうがよいというのが練習の定説かのように思えます。
そういう意味で、ブロック練習は直感的に正しそうな練習だと言えます。
ではインターリービング練習の具体例は?
そもそもインターリーブとは「本のあいだに紙を挟み込む」という意味で,意図的にデータを不連続に配置することを言います。
先ほどのブロック練習の具体例と対比させると
ダウンのリズム,アップのリズム,他のリズムワークなど,1回の練習ですべて練習する。
発表会に3作品出るとしたら,1回の練習(90分)で30分ずつ練習する。
みたいな感じになります。
ブロック練習とインターリービング練習の実験データ
南フロリダ大学が126名の学生を対象に行った実験だと,インターリービング練習のほうがブロック練習よりも効果が高いという結論になっています。
実験デザインは以下のとおり。
①1つの方程式の使い方をマスターしたら,次に進む(ブロック練習)
②1回の授業で様々な方程式の使い方を学んでいく(インターリービング練習)
結果は
翌日にテストを行った結果,②のグループの学生のほうが①の学生よりも25%成績が高かった。
1ヶ月後のテストでは,②のグループの学生のほうが①の学生よりも75%成績が高かった。
となっており,インターリービング練習の圧勝となっております。
なんでこんな結果になったのかというのは,2つポイントがあります。
ここから先は
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?