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照る葉 散る葉
去年の冬…
浴びせられるよう降りつける雪
今から思えば 誰にでも気があるよう寄る雪だったのかも知れない
その蒼白に まともに応えるべく
こちらも熱を伝えた…
正確に言うと
我慢しきれなくなって…
大木は 我が熱を快く受け入れ
皮 かたいまま
春 待ってくれた
少しずつ 少しずつ暖める思い
やがてひとつ同じ夢を見るような
気にさせて小さい芽が出た
明けて初春…
不安がる芽は恐る恐る 行動に出る
普段は自発することない声をあげて
大木は誘われるまま応じ 同じものを同じだけ感じ 同じ花芽を
さも育てるかに見えた
甘い蜜作る時間のようにも見えた
飛躍する初夏…
大木は目一杯光を謳歌し 芽を思いのまま操った 芽は芽で 操られても構わないと観念して思いっきり踊った…
というより自分で踊るのが楽しくて仕方がなかった
真夏に花咲いて実りも得られた…
別に隠すつもりはなかったけど 結果大木から沢山の養分を奪うことになってしまった
傷 負う大木…
でもそう思ったのは自分だけで
大木は枝それぞれに
自由に扱える花と実を
沢山育てていた…
秋風が大木を撫でる頃…
花実過ぎた葉は赤らみながら
まだ大木の気をひこうとしていた
大木は 見込みある枝だけを残して
未練たらしい葉をすべて
身をゆすって落としにかかった
冬の知らせありて…
地に落とされた葉っぱは
せめて根の肥やしにでも成れたらと
いまだに大木を思い続けている……
今度は樹皮表面でなく
内 宿る存在になるべくして…
めったに心動かない自分が
こんな様々な色形に
移ろふとは
思わなかった
時過ぎるだけを
頼りにするとも……