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2024年 4 摩周湖
摩周湖を初めて見たとき、あの摩周湖ではなく凍結していた。地元の人に凍結した摩周湖の写真を見せると珍しがられた。摩周湖は水深の深い湖なので滅多に凍結しないらしい。
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初めての摩周湖は観光タクシーで訪れた。凍結路の運転の感覚を覚えたので次は自分の運転で裏摩周湖を訪れた。
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すっかり道東の自然に魅せられ摩周湖を見る機会のなかった今までの分を取り返すかのように摩周湖を見に行き始めた。
思えば大阪から東京に転勤して大赤字の部署の営業となり働いた。大赤字の原因は簡単で売上が足りないからだ。新規に得意先を獲得するためアポを入れ訪問し新しい顧客になって貰うため夢中だった。
しかし、採用なんて簡単にいかない。新規の顧客はこちらから出掛けないと情報をくれない。何かと理由をこじ付けて訪問した。
その際身に付けた技が、笑わせることだった。売り込む製品の善し悪しなんて判断のしようがない、だから笑わせた、クスッ笑いではない、ハッハッハッ!と思い切り笑わせるのだ。そうすると次会いたい時会ってくれる。私は決して明るいタイプの人間ではない、どちらかと言えば陰気なタイプだ。
そればかりでは採用してくれない、だから何かと理由をつけて工場内を見学させてくれるように口説いた。己れの製品の何が足りず、何を加えれば採用して貰えるのか考えた。イライラするほど長い時間を要したが他に方法がなかった。
そして上手く行きそうなアイデアを思いつき製品化した。もちろん一人で実現できる事ではない、アイデアを実現する為に必要なピースをお膳立てした。やっと一社で採用が決まりあとは芋づる式に採用が進んだ。
言葉では簡単だが、とても長い時間と紆余曲折があった。大赤字から直ぐに黒字にはならない。出荷数が増えれば設備増設の為の投資が必要であり、又償却額が増え赤字になる。何度も出荷増、設備増設を繰り返しやっと誰の目にも黒字が見えてきた時閑職に追いやられた。
懸命に働いて来た人間には残酷な仕打ちだ。この部署の仕事をして置かれた境遇の惨めさに涙したこともあるのに。
漸く忙しい仕事から開放されたのは閑職に追いやられてから。それから時間を取り戻すように全国を旅行し始めた。
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季節を変えて何度か行くと快晴の日に当たる時がある。美幌峠の景色が素晴らしかったので摩周湖も素晴らしい景色だろうと思った。
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遠くの尖りは摩周岳
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雲の形が神鳥に見える
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一人で摩周湖を見てきたが嫁とゴールデンウィークに摩周湖へ行った。この時の摩周湖は絵の具を溶いたような深い青色だった。
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摩周ブルーと言われる青色は快晴の日の第3展望台からよく見える。神秘的な深い青い色だ。
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摩周湖を初めて訪れたのはやっと58歳の時。なかなか姿を見せてくれないと言われる摩周湖。でも私が訪れるたびに素晴らしい姿を見せてくれる摩周湖。自分は運がいいと思っていた。
しかし、こうも訪れるたびに素晴らしい風景を見せてくれる摩周湖を見ていて、摩周湖の私へのご褒美、だと思っている。
2024年一月久しぶりに摩周湖を訪れた。いつも摩周湖はその素晴らしい景色を私に見せてくれる。
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摩周湖から、今までお仕事お疲れ様、と言われているように思う。
働いて、働いて、働いた、という自負があるからだ。
そんな人生を歩んできた。