重ねた時を最初から。【呪い】

音楽の授業の時の校歌を独唱で歌った後の話です。

半音低く感じる長調で不本意ながらも歌いきり
後で先生に“低い”と言い訳しつつも「上手」
と言われてホッと胸を撫で下ろす。

そんなやり取りだったかと思います。

歌えるなら曲はなんでも良かったんですが、
「校歌なんかを本気で歌って頭おかしいよな」
そんな声が聞こえてきました。

それはクラスの人気者の軽い皮肉の言葉。
それはクラスの人気者のいつもの明るい言葉。
私に気づかず別の誰かと話してる言葉。

どうでもいいはずの言葉…ですが…

私は後日の音楽の授業から、

  
    

     “歌わされる”


そう思うようになりました。

半音低い事もあり気持ちも落ち込みます。
いえ…気持ちの置所がわからなくなりました。
歌ってる時見えてた色も見えなくなりました。

「本気で歌うのは頭おかしい」

この言葉との長い付き合いが始まります。
呪いとはきっとこんな事だと思います。

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