借入金・貸付金
お店や企業は経営のための資金を自分で出資するほか、銀行からおカネを借りる場合があります。また時には、取引先へおカネを貸すこともあります。
このような他者から借りたおカネのことを借入金(かりいれきん)、貸したおカネのことを貸付金(かしつけきん)といいます。
※特に借入金のコトを【しゃくにゅうきん】と読んでしまう方が多数いらっしゃいます(汗)。正しくは『かりいれきん』です。一般でもよく使用される単語なので、しっかりと覚えてくださいね。
おカネの貸し借りの際には、必ず借用証書と呼ばれる証拠書類を作成します。『あの時●●って言ってたやんか--っ(怒)』と後々もめると大変ですもんね。
借りたおカネは『必ずあとで返す義務』がありますので、これを借入金勘定(負債)で処理をします。反対に貸したおカネは『あとで返してもらう権利』がありますので、貸付金勘定(資産)で処理をします。
また、おカネの貸し借りをした際には、利息が発生します。
利息を受け取った時には、受取利息勘定(収益)で処理をし、支払った時には、支払利息勘定(費用)で処理をします。
借入金と貸付金にまつわる仕訳のタイミングは2つです。
①おカネを借りた or 貸したとき
②おカネを返したとき、または返してもらったとき
順番に例題で確認していきましょう。まずはおカネを借りたときです。
借入金
①おカネを借りたとき
年利率というのは、期間1年に対する利率という意味です。
総勘定元帳の青文字が転記した分です。文字が小さいな…ゴメンなさい💦
②おカネを返したとき
今回は、1年間の借入だったので
元金1,000,000 × 年利率3% = 支払利息30,000 で計算しています。
総勘定元帳を確認してみましょう。
借入金の返済を転記します。
み、見えてますかね…。
借入金勘定の借入額と返済額との差額は、まだ返済が終わっていない残高を表わしています。
貸付金
①おカネを貸したとき
②おカネを返してもらったとき
借入金や貸付金で発生した利息については、期間が1年未満の場合、按分(あんぶん)して期間分を計算する必要があります。
按分というのは『割り振ること』でして、期間が1年未満の利息を計算したいわけですから、『1年間の利息額をもとに、借入・貸付期間分だけ計算する』と考えればOKです。
貸付金の例題②では、まず1年間の利息金額を計算し、そこに期間月数5をかけ12か月で割っています。電卓でたたく場合は…
500,000 × 4.5% × 5 ÷ 12=
と打てば簡単に答えがでます。
こういった計算問題は、公式として覚えるのではなく、どういった手順で計算しているのか?を理解すると、初見の問題でも必要な条件の見当がつけやすくなります。
さらに利息計算は、例題のような月単位以外に、日数単位で計算をする場合があります。その場合も考え方は同じです。
ちょっとだけ未来の話になりますが、2級になると、『●/●~✖/✖までの期間』といった具合に日付で指定され、自分で日数を数えて計算する問題が出題されています。
初級や3級ではそのような問題は、出題されておらず、例題のように条件として与えられています。しっかりとマスターしていきましょう。
今回はここまで。
お疲れ様でした。