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【コラム】後悔のないコミュニケーションに向けて活用したい冊子「重要な面談にのぞまれる患者さんとご家族へ」のご紹介

ご無沙汰しています。
最近様々な出来事が重なり、改めて私ができることを考えている日々です。

さて今日は、ひとつの冊子をご紹介したいと思います。

・ちゃんと聞くべきことを聞けているのか分からない
・うまくコミュニケーションが取れていないと感じる
・いつも後から聞きたかったことを思い出し後悔する

そんな思いが少しでも解消できるような手助けになる、冊子だと思います。

冊子「重要な面談にのぞまれる患者さんとご家族へ」

いろいろ探してきたのですが、今の時点ではこの冊子が一番シンプルで網羅的だなと感じています。


医療者と患者・家族のコミュニケーションの壁

最近読んだ本や論文で、医療者と患者のコミュニケーションの難しさの理由が書かれていました。
きっと、お互いが「だからずれてしまうんだ!」に気づくのが第一歩と思うので、参考までに。

①ちからの不均衡
後輩から先輩に素直に思うことを伝えられないように、どうしても立場の不均衡がコミュニケーションの難しさを生んでいることがあります。医療者と患者さんに関しても、同じことが起こり得ます。

②視点のちがい
医療者は身体的な病気に着目し(最近徐々に変わってきていると感じますが)、患者さんは生活の中の体験として捉えます。
また、医療者は治療の全体像や今後の見通しを立てて話を進めますが、患者さんにはそれが見えていないことが多いです。
(この点、個人的にコミュニケーションのずれの大きな要因になっていると感じています)

③内容が難しい
医療用語は理解しにくい特有の難易度があります。
また治療効果や副作用などは、どうしても絶対ではなく、不確実なリスクコミュニケーションとなります。この不確実性が患者さんにとって受け入れにくいことがあります。

④こころの状態
大きなストレスの中で患者さんは治療方針などを決めていかなくてはいけません。不安が大きく、なにかに対して過度な期待を抱いてしまったりすることも。
また医療者も日々のプレッシャー等で最適なコミュニケーションにのぞめているとは言い難い状況もあるかもしれません。

⑤限られた環境
時間制限やプライバシーが保たれない環境で十分話ができなかったりするなど、適切なタイミングでない可能性もあります。


冊子の中から、いくつかのページをご紹介したいと思います。
治療・生活についての質問

治療・生活についての質問は、とても網羅的。
自分自身の生活や今後がどう変わっていくのかを少しでも予測できることが、少なからず不安の軽減に繋がっていくことがあると思います。

その他の質問

私がこの質問の中で特に大切だと思うのは、
「 前回の診察から今回までに            な状況の変化 (生活面、身体面、心理面)がありました。」
です。

医療者は患者さんにあらゆる影響を与える存在ですが、医療者も患者さんにあらゆる影響を受け、揺れ動く存在です。
今患者さんがどんな変化があり、何を感じ、何につらさを感じるのか、を分かっていることは、これからのコミュニケーションや選択を考えるきっかけになります。
(もしかすると中には鉄壁で全く響かない人も中にはいて、それはもうそういう人だと思うしかない人がいるかもしれませんが…)

だからこそ、心に訴えていくことも必要だと感じています。


個人的な思いも含めて、書いてきましたが、みなさまの参考になると嬉しいです。

また見にきてください。

(参考文献)
石川ひろの著 ヘルスコミュニケーション学入門 大修館書店 2020
平井啓,行動経済学の観点から見た意志決定,2021,社会薬学 40 巻 2 号 p. 140-142

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