数のヨミカタの読書5
イラスト&図解 知識ゼロでも楽しく読める! 統計学のしくみ
佐々木彈 (監修)
~統計学の活用事例が分かる名著~
タイトルの通り統計学の知識が全くなくても、問題なく読める本です。
佐々木先生は統計学者で、研究職向けに講義をされているとのことですが、この本は数学が苦手な方や一般の方向けに、分かりやすく書かれています。数式も少し出てきますが、数式が理解できなくても、全く問題なく読み進めることができます。
全体で3つの章で構成され、69のテーマを取り扱っています。1つのテーマは、2または4ページに収められており、テーマごとに完結しています。(もちろん、テーマにより相互に関係が深いものもあります)
69のテーマは、「基礎」「活用例」「記述統計」「推測統計」「確率」「相関」「回帰分析」「ベイズ」「リテラシー」のいずれかに分類されていて、テーマの番号の下に記載されています。
69のテーマ以外に、『明日話したくなる 統計の話』『もっと知りたい 選んで統計』というタイトルのコラムがあります。このコラムは、統計に関連するネタ・小話のようなものが多く、とても楽しく読むことができます。
テーマ66から69は「リテラシー」という分類ですが、これは、“数のヨミカタ”に関する最重要事項が取り上げられています。特に最後の69は“統計データにだまされないためには?”というテーマであり、その1番目は『批判的に読む』ということが書かれています。これは、私が既に投稿した『数のヨミカタの技術1』に書いてあることと一致しています。
この本は、全体を通して、統計および統計学は
・身近な存在
・世の中で非常に重要なもの
・物事を見る1つの方法
・判断材料を提供してくれる
という説明をしているように感じられます。
また、この本のいいところは、統計学の教科書に出てくる内容の解説も含まれおり、気づかないうちに、初級の統計学に触れています。本格的な統計書に取り組む前に読むと、より実感を持って統計学を学ぶことができると思います。
①これから統計を学ぶ人、統計を身近に感じたい人、過去に統計学で挫折した人など向け
②統計学への導入本、ビジネス統計のガイダンス本
③数式 初歩的な統計関連の数式あり
④ページ数 220ページ超
⑤所要時間 90~120分程度
⑥おすすめ度 ★★★★★