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「年刊花林花2023」を読む①髙澤晶子氏

花林花という句会がある。
先日「年刊花林花2023」を頂いた。

各同人の花林花抄二十句の連作から、掲載順に感銘句を紹介。

代表の髙澤晶子氏「七回忌」より。

真実が歩き出したる朧の世

コロナ禍で色々な問題が浮き彫りになった。「コロナ」とは一言も書いていないが、世相を感じた。

秋風に問わるわたしは誰でしょう

詩のような謎めいた一首。擬人化されて秋風がしゃべる構図。この句がある連作のタイトルが「七回忌」であり、「わたしは誰でしょう」は実は故人の声ではないかと深読みできそうだ。

秋夕焼悲恋の赤の滲みいる

秋の夕焼けというだけでも十分感傷的であるのに、更に「悲恋」が追憶されている。今風に言うと「エモい」一句。

詩的な「含み」のある言葉の選択が、絶妙な余韻と奥行きを生んでいる味わい深い連作だった。

以上。

続く。

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ゆめいるか書房
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