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「年刊花林花2023」を読む②廣澤田を氏

花林花という句会がある。
先日「年刊花林花2023」を頂いた。

各同人の花林花抄二十句の連作から、掲載順に感銘句を紹介。

廣澤田を氏「花野風」より。

箱だしの雛はまことよき重さ

ひな人形は独特の重さがある。ひな壇は重いが人形自体は重くなく軽くないイメージだ。それを「よき重さ」としたことで、雛の存在の重さも寿いでいる気がする。

大空はひかりの会釈柿若葉

空から若葉への視線の移動が面白いと思った。作者の視点を追体験できる句。「柿若葉」の季語の選択も渋くて良い。

目隠しの薄き闇あり西瓜割り

西瓜割りをする人目線の句。手拭いかタオルかで急ごしらえの目隠しをして、楽しい西瓜割りのワンシーン。タオルだと光が透けないので手拭い程度の薄さの布を目に巻いていると想像した。

実景や実体験を実直に詠みながらも、わざとらしくないユーモアがそっと混ざっていて、鑑賞していて楽しかった。

以上。

続く。

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ゆめいるか書房
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