『月曜日の抹茶カフェ』に来店して
月曜日の抹茶カフェ
著:青山美智子
たまたま時間つぶしに入った書店で見つけた本。
タイトルの「抹茶」という文字に惹かれた。
短編が1月から各月ずつ、12か月という形で織りなされる。
始まりの物語から終わりまで、その月に登場した言葉の中に、次月の主人公が隠されているという手法を2つ目の物語を読むとわかり、読んでいる一つの楽しさとして読んでいた。
このような手法とまったく同じではないが、似たようなことを昔やりたいなと考えていたことをこの文章を記しながら思い出した。
時系列的に進めていく感じの物語だった。
ただこの本のように、各月の雰囲気を元にした内容やつながりを考えた文章や、登場人物が話す言葉の意味など、それを次への布石にするような物語は私にはできそうにないが、味わうことはできるので読んでいて楽しい。
時間というのが確かに存在し、一人一人の日常を垣間見ているような、一緒に時間を共有しているような、そんな気分になる。
この瞬間に生きている全ての生物が、ただそこに存在しているのではなく、運命の織り成す糸に紡がれてそこに居ること。
そのひとつひとつと私は知り合い、触れ合っていること。
私がどこかを歩くだけで、誰かが私を避けるように、生きているだけで影響しあっている。
一瞬一瞬の奇跡を大切にして、できるだけ拾い上げていきたい。
人生は抹茶みたいなものだと思う。
抹茶の見た目は緑の飲み物だ。
でも味わってみると、濃淡があり、見た目の色の違い、香りの違いがある。
そういう味わい深いものだ。
一日は一杯の抹茶を頂くようなものだ。
毎日が似ているようで、一味違う。
さて、今日も人生の一杯を頂きますか。
今日のお味はいかがでしょうか?
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