「カラオケ行こ!」と「ファミレス行こ。」感想
和山やま先生の「カラオケ行こ!」が実写映画化される!!??
そんで続編として「ファミレス行こ。」が発売される!!??
本屋さんで見かけて腰を抜かしつつ、とりあえず即座に続編購入しました。
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「カラオケ行こ!」と「ファミレス行こ。」、タイトルについた“ビックリマーク”と“マル”が2つの作品の違いの全てを表していると思う。
前作の「カラオケ行こ!」は、聡実くん視点の話ではあるものの、終始狂児のペースに巻き込まれながらストーリーが展開する。狂児から聡実くんに投げかける、カラオケ行こ!の一言で始まった、夏の忘れられない思い出…といった物語。
一方今作「ファミレス行こ。」は聡実くんと狂児のみならず、O田区K田で過ごす様々なひとたちの群像劇といった風合い。そして皆さんご存知の通り、ファミレスは勇んで乗り込むような場所ではなく、なんとなくたらーっと「…いくか」っていう場所。「ファミレス行こ。」というタイトル、特に最後のマルからは、いろんなひとのいろんな背景、いろんな思いをないまぜにしたような空気感が滲み出ていて、もはやタイトルだけで名作確定なのではと思ってしまいました。
もちろんタイトルだけでなくストーリーも絵もとんでもなく面白かった。また、繰り返しになるけど今作は群像劇的な要素が強く、魅力的な登場人物がたくさん出てくる。しかもそれぞれになんとなーく秘密めいたものを持っているので、きっと下巻を読んだらまた全然違った印象を持ったりするんだろうなという匂いがぷんぷんする。
上巻188ページ、1ページまるまる使った衝撃の1コマに心をぐちゃぐちゃに揺すぶられながら、下巻の発売を楽しみに待つこととします。