That's why I love Canada (1)

わたしが大好きな街、カナダのオタワ。
もう何年も前になるけど、ハタチの１年間を過ごした街。

宝物のような１年で今でも思い出すのだが、
どうしてこんなに好きなんだろう？と思い、書き留めてみることにする。

きっかけは、先日七夕の夜開催された、あべなるみさんの『手放し講座』。
わたしはカナダにいた時間が好きで、カナダにいる時の自分も好きだった。
それって、いろんな価値観を"手放せていた"からなのではないだろうか。
ふと、そう気づき思うがままに書いてみる。

私を虜にしたのは、
この街の風景もそう、自然の美しさも、美味しいコーヒーもそう、優しく親切な人々もそう、
だけど、一番はカナダでの『生きやすさ』だったのだと思う。

ー移民国家であることー

カナダは移民の国。
私の友人は、生粋のCanadianをはじめ、ヨーロッパにルーツがある子や
イスラム教のサウジアラビア出身の子、アフリカにルーツを持つ子、
もちろん中華系Canadianをはじめとするアジア系の子もたくさん。

お顔だけ見て、「Canadianですか？」と判断がつかない。
だから、みんなCanadianだ、ってな感じで、
そこにJapaneseのわたしがいても、なんてことはない。

1st, July　Canada Day

７月１日、カナダの建国記念日で、年に1度の特別な日。
この日になると、みんなCanadaと書いたTシャツを着たり、頬にタトゥーシールを張ったり、
街じゅうカナダの国旗にあふれ、
それはもう物理的に真っ赤に染まるのである。

首都オタワの街では、国会議事堂前に特設ステージが設置され、
Carly Ray Jepsonといったカナダ出身の歌手たちがステージを盛り上げる。
その様子が、テレビでもカナダ中に放映されるのだとか。

例にも漏れず、頬に赤い国旗をぺたっと貼り、カナダTシャツを着たわたし。
テレビ局っぽいカメラを見つけ、
国旗を片手に、手を振る私がTVに映ったかもしれんな～！なんて思っていた。

人種的な見た目ではCanadianかどうかわからない、
だからこそこうして、
『カナダだいすきよ！私はカナディアンよ！』と肌に示すことで、
愛国心を分かち合っているのではないのだろうか、そんな気がした。

日本では「I love Japan」と書いてあるTシャツや
帽子、手袋を身に着けてる人はそうそういない。
（野球場やサッカースタジアムを除いては。）

だが、カナダでは、大学内でもCANADAと書かれたパーカーを着ている人が
ちらほらいて、CANADAグッズも豊富なのだ。
（それがおそらくお土産だけの用途ではないのだろう。）

夜になると、国会議事堂の建物をスクリーンとして、
プロジェクションマッピングが始まり、カナダの歴史を美しく示す。

そして、最後にはカナダの国歌が流れ、
広場に集まったものみんなで歌う。「Oh~ Canada~♪」と。
あー、わたしも十分Canadianだ。そんな気持ちに心が満たされた。

この感覚がとても心地よかったのである。

ーDon't judge me, I don't judge youの精神ー

私は交換留学生として、学生寮の10th floorに住んでいたのだが、
それぞれの階にラウンジのようなものがある。
ソファーと机が置いてあり、リビングのような雰囲気。
課題をする子もいれば、ただおしゃべりするだけの子も。

たとえば、「まだその課題終わってないのかい？」とひとりが茶々を入れる。すると、「Don't judge me, I don't judge you」と返す。
直訳すると、「私を判断するな、私もあなたを判断しない。」であるが、
意訳では、「ほっといて～な。私もあなたのこと、とやかく言わんから。」みたいな感じ。

これが私にはとても心地よかったのだ。

自分は自分、他人は他人、だれにもJudgeする権利、される権利などない、自由なのだ。

ーちょっと待ったって！の精神ー

大学からダウンタウンに向かうバスの中、
窓の外にふと目をやると、全力でバス停へ向かい走る男性が。

後ろの席のおばちゃんが、
「なあ、あれ見て～。絶対間に合わへんやん。」と隣の人と話してる。
「そんなん言わずに、ほっといてあげればいいのに。」
と内心思っていたわたし。

次の瞬間、そのおばちゃんが大きな声でバスの運転手に
「ねえ、あの人めっちゃ走ってるわ、少し待ってあげてくれない？」と。
いやいやそんなん無理でしょ！？と思っていると、
運転手も「I know~」てな感じで、１分くらいバスがバス停で停車。
汗だくの男性は見事バスに搭乗。

今、何が起こってた？
カナダすごい、すごいよ…寛容だよ…と、心の中で拍手喝采。

ついでに頑張ってゴールした男性にも静かに拍手。

（２）へ続く。