東京はスイーツだ

東京はスイーツだ。
甘くて魅力的だ。
いつまでも食べていたい。
六本木ヒルズってかっこいい。
劇団四季の舞台を見に行きたい。
毎日楽しそうである。
どこかで何かをやっている。
そんな場所に住んでいたらいろんなところに行ける。
今でも港区に住んで、品川ナンバーの車にのってみたいなあという夢はある。
楽しい毎日が過ごせそうだ。

2020年1月にコロナが発生した。
コロナで生活がすっかり変わってしまった。
今では人が多い場所にいくのはリスクである。
隣が近いレストラン、コンサート、美術館、通勤ラッシュ。
どこに行っても人が多い。
花火大会でも、立ち止まることが許されない。
歩いて動かないと後ろが渋滞してしまう。
ゆっくり花火を見ることもできない。
クリスマスイベントやイルミネーションを見に行きたくても人が多い。
目的の駅に着く前に混雑が始まっている。
到達したときには、ぐったりしてしまい肝心のイベントを楽しむことができない。

市区町村別の人口増加率にもその傾向が表れている。
2019年のコロナ前では、千代田区、中央区、品川区であった。
名古屋市東区・中区、大阪市浪速区・福島区・北区が上位を占めていた。
都心で便利な場所が人気であった。

コロナが始まった2020年からは、全国で増加率が一番高いのは東京都利島村だ。
7%も住民が増えている。
2位が東京都青ヶ島村で村民が3%も増えている。
いったいどこにあるのだろうと地図で探してみる。
利島村が都内の竹芝港から高速船で2時間20分。
青ヶ島村は、羽田空港から飛行機で八丈島へ50分にそこからヘリで20分かかる。
それまで増えていた23区では中央区が残ったがそれ以外は消えてしまった。
大都市ではつくば市などの順位が上がっていった。
東京から近いところでは軽井沢の人気がでている。
危ない東京から、すみやすいエリアに大移動が始まっていった。
夏は避暑地でゆっくり生活しようということだろう。
東京の高い家賃を捨てて、低い家賃のエリアにいく。

コロナ前から人気が変わらないのは、千葉県流山市・印西市と茨城県つくば市だ。
つくば市は、毎年2%の上昇率になっている。
富山県中新川郡舟橋村というところも常に上位だ。
毎年1%以上の増加率だ。
2000年から2005年は増加率日本一でもあった。
平均年齢も40.6歳と県内の市町村で最も若い。
子どもの教育に力をいれているのが集まって来る理由だろう。

それぞれのエリアによって特徴はあるが、共通しているのは都心へのアクセスが良いところである。
新幹線や鉄道の駅が近い、空港までの距離が近いというところが軒並み増えている。
なにかあっても、そのまま交通機関を利用して動くことができる。
このような場所であれば、いざという時に東京にいくことができるという安心感がある。
子供の教育が充実しているならば、さらに安心して生活することができる。

コロナによって私たちの生活はずいぶん変わってしまった。
同じ場所に集まって会議をしなくても意思疎通ができるようになった。
ビジネスだけでいうと、Zoomなどのネット会議で十分意思疎通ができるのである。
もちろん同じ場所にいるということで、伝わってくる空気感はある。
しかし、このことによって移動時間の短縮が図れるようになった。
毎日の通勤の片道1時間が自由に使えるようになった。
また、無理して都心に住む必要がなくなった。
東京で有名レストランに予約すると、1年待ちなど普通にある。
その1年先を近くに住んで待つよりも、一年後にその場所に移動してレストランに行けばよい。
生活コストや家賃コストで有名レストランの食事代くらいを稼げる。
東京在住していたころは、役所に住民票を取りに行くのは一日がかりであった。
区役所に行くのが30分、順番待ちが2時間などである。
それだけで1日がつぶれてしまう。
少し離れた市区町村では、片道10分、待ち時間はなしである。
生活のクオリティーが一気に上がる。

スイーツもいつも食べることができるとそのありがたみが分からなくなる。
スイーツだけで毎日の生活が成り立つわけではない。
食べ放題で、スイーツだけを食べていたら肥満になるか、味覚がおかしくなってしまう。
日ごろは普通の食事、むしろ摂生した生活をしていながら、ほんの少しスイーツを食べる。
食後のデザートは体も心も満足する。
これが美味しく食べる秘訣である。

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