知る必要がある。
さて、こう書き始めたのは僕はそのことを知らなかったからです。それではダメだと気づいて知る必要があると思ったからです。
象のことです。
僕たち日本人はゾウさんと言って親しく呼びます。その優しいゾウさん?は元々優しかったのか?です。ゾウさん、サーカスでもさまざまな演技をします。動物園でも一見のんびりして暮らしています。タイに来ればゾウに乗ることだってできるし、ゾウの演技を見ることも可能です。
しかし、それはゾウを厳しくしつけているからです。その躾は虐待と言ってもいいと思います。その躾はタイではパジャーンとかクラッシュと言います。
仔象時代にパジャーンは行われます。精神を破壊してしまうくらい肉体的にも精神的にも追い込んで人間の言うことに従うようにします。僕はその様子は映像でしか見たことがありません。それは小さな柵に入れて身動きができなくなるようにして刃物で刺したり叩いたりします。見るに耐えないものです
タイでは象は2種類に分けることができます。
野生象と飼育象(家畜象)です。アジアでは飼育象の歴史はかなり古くからあります。わかっているだけでメソポタミア文明からです。
タイの飼育象は3800頭ほどいます。その飼育象はほぼ100%と言っていいくらいパジャーンを行います。(僕はパジャーンをされていない象もいることを知っていますが。)
冒頭に書いた「優しい象たち」は人間の手によって従順になるようにされているんです。
一方、野生象はもちろんパジャーンなどされてはいません。近寄れば襲ってくることもありますし、基本的にはとても危険です。
歴史的には野生象を捕まえてきてパジャーンを行って飼育象にして来たんです。そして、人間の管理下に置きました。木材の運搬など力仕事に従事してきましたし、戦争の際は戦車の役割を担って来ました。現代なら観光業です。
そして、近年、欧米から始まった動物保護や動物の権利などの思想的な流れの中で動物たちを虐待をしないことが求められています。
そして、象たちと人間の関係にもそれが求められて来ています。
フランスではサーカスで象を使うのを禁止しました。その代わりにホログラム使っていることが話題になっていました。
タイにおける観光でも象に乗らない、鎖に繋がない、鋭利な鉄のフックは使わない象の観光キャンプが増えて来ました。しかし、まだまだ、象たちの過酷な状況は改善されていないことも多いのです。
日本人はゾウさんのイメージのままで、その象がどう扱われて来ていたのか知らない人が多い。こう書いている僕だって知らなかったんです。
で、タイトルを僕は知る必要があるとしたんです。
将来、タイに来ることがあれば象に乗ったりしないで象を大事に育てている観光施設を訪れて下さい。
奥野安彦