見出し画像

すべらかに素肌でそのひとと抱きあう。そのからだにおけるすべてのわたしたちの、




記憶を幾重にもこの皮膚にしたがわせ。
ただひたすらこの夜の中、静かにやわらかく肌と肌をかさねいのちをさしだして…あたたかく埋もれつづけて。
ぶあつく指を這わせてそのさきの宵闇までまどかに届かせた。
わたしたち。たしかにここでこうして生きていたのね。





そうなの。ほんとうに滝本さんはからだの音楽のひとでもあると。
窓辺のスケッチや暑い夏や花びんや落下や雨の日の午後や…最新曲みずいろにいたるまで。

そのひとのあえかな息や体温や甘やかな匂いや華奢でやわらかな肢体の美しさはかなさのすべて。そのまなざしと触知をもってこんなにも綺麗に繊細に季節や時刻のうつろいまでも封じこめ。ぼくの中にそっとうつしとり永遠へと落としこむ身体性の凄み。

そして何よりただひとりのそのひとと素肌で抱きあうことのいとしさと味わいと果てなき安堵の深さは、この世のマテリアルとして生を享けたわずかな時間にのみ限定された恩寵であることに。
幾度となくあたたかくやわらかく立ち返らせてくれるのが、滝本さんの音楽なの。






サポートありがとうございます🌸🌸🌸 頂戴しましたサポートは制作費、そして私の心と身体すべての表現に暖かくお贈りいただいているご支援であることを心に刻みつつ、大切に使わせていただきます。