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私が語りはじめた彼は (三浦しをん) 2023.7.11 

こんばんは。
今日今年初のセミの鳴き声を聞き、夏の到来を実感したももこです。

今週読んだ一冊は、『私が語りはじめた彼は』著:三浦しをん です。

心に残った文↓
そしてこのひとはいま、生臭い男女の世界の敗戦者となり、暗い森から静かに去っていこうとしている。彼女は広々とした草原を一人で歩く。その足もとに、さびしく乾いた骸が点々と転がることを自覚しながら。それでも胸の内に、この世で一番醜く美しい結晶を抱えたままで。

私が語りはじめた彼は

愛でもなく、打算でもなく。花を咲かせては散らし、葉を繁らせては落とす植物のように、気の狂いそうな繰り返しの中で生きていく。いつか変化をやめるそのときまで。それだけが、私の選んだことなのだ。

私が語りはじめた彼は

すべて順調ってわけじゃないが、少なくとも不幸ではない。まあまあ幸せといってもいいかもしれない。
だけど俺の心のどこかに、滅んでしまった世界はいつもある。俺はその場所の存在に、ふとした拍子に気づかされる。アパートで一人、テレビを見ながら風呂上りのビールを飲んでいるときや、オレンジ色のライトに照らされた夜の高速道路を、ラジオを聞きながらトラックで走っているときなんかに。

私が語りはじめた彼は

感想↓
三浦しをんさんのこの小説は、6年まえにも一度読んだ記憶があるが、このような内容であったことは全く忘れていた。
大学教授(村上氏)をめぐる周りの波乱万丈恋愛物語なのだが、何より一番怖いのが、周りをこんなにも翻弄させておいて、当の本人は全く気が付いていないということだ。彼の妻、息子、娘・・・。たくさんの人を悲しい気持ちにさせておきながら、当の本人はどのような心持で愛を育んでいるのだろうか。
この小説を読んで、大人の恋愛について深く考えさせられた。
私の中では、結婚したら、子供もいるのだとしたら不倫なんてしないものだと勝手に思い込んでいた。だけど、独身時代の名残や不完全燃焼のまま結婚するとこのような結末にもなってしまうのだろうか。
特に男のひとは簡単に家庭を顧みない行動をしてしまうのかもしれない。
実際私の父親もそのようなことがあるし、もう私は一人の人間だしということで諦めているのだが・・・。
周りが許すというか、「彼も一人の人間なのだから」と悟りの境地に行くかは周りしだいですよね・・・。(急)
なんか最近思うことあって(本と若干話題ずれます)
人を変えることは無理ですよね。だれもがこの世界の主人公なんだから、いろんな考えを持っていて普通ですよね。
そもそも家庭ってなんだ?父親って母親ってなんだ?
そんなことを考えた小説。
私は人の考えを邪魔しないようになるべく尊重して生きていきたいとこの頃思っています。

ランニング明日も頑張るぞ。
おやすみなさい。

2023,7,13


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