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八・百・屋の町を歩こうを読んで (2024.3.1)

こんばんは。最近は花粉にやられそうな日々を送っているももこです。

今週読んだ一冊は、『八・百・屋の町を歩こう』(著:Aruko Lee)です。

心に残った文↓

ひとりでも大丈夫、私だけでも存在しよう。私まで降参してしまったら、学校にいる私たち、生徒たちは同時代の「今」を」学ぶ機会がなくなるのだ。

『八・百・屋の町を歩こう』p.48

こぢんまりとした静かな部屋で、作文の宿題をした。「ある」と「ない」の例文づくりで、私は真っ先に「私は明日がない」と書き、「時間はある」とも書いた。

『八・百・屋の町を歩こう』p.71

二日後、暁の頃に眠るように逝った、との知らせが来た。外国から来た嫁というより、ひとりの人間として接してくれたことに深く感謝した。

『八・百・屋の町を歩こう』p.154

「確かに私の時間は、季節なら秋、一日ならお茶会の三時頃ね。二〇~三〇代でできなかったことも、今はやれる」と言った。

『八・百・屋の町を歩こう』p202

いつか必ず訪れる倦怠や老衰という客を、やむを得ず迎える時も、そばにさまざまな本がある限り、大丈夫だと思う。「老後」とか「備え」とかの言葉に私は耳を傾けない。今日の時間を誠実に楽しむ、さらに工夫して徹底的に愉しむ。

『八・百・屋の町を歩こう』p254


感想↓
著者のAruko Leeさんとは、友達の恩師だという紹介で一度ご飯に行ったことがある。その後、Arukoさんが本を出版する準備をしていると聞き、店頭に並んでからさっそく購入し読了した。
あの数時間・一度だけのご飯では計り知れなかった彼女の生い立ちや、私よりも一回り以上も年上の(もうすぐ還暦を迎えるそう)方の生い立ちを知ることはとても面白く、興味深かった。
なによりも、文章から伝わってくるどんな困難にも屈しない強靭な心は、その日あった時の数時間でも感じられた。
そのしっかりした大幹も、今思うと文中にある、趣味だという早朝散歩からきているのかもしれないし、何時間も街を闊歩することができる精神が素晴らしいと思った。
この本を読んで、私も今朝散歩をしてみた。普段自転車で爆走する通勤路も、ゆっくりと立ち止まって進めばタンポポの花が道路わきに咲いていることに気が付いた。瓦屋根に留まる二羽の雀にもきがつくことができたし、もう桜の花が咲いていることも知った。
その木の下でおもいっきり伸びをして、「今日をどんな一日にしよう」と考えることが楽しかった。
時間は永遠じゃないという。だからこそ、今日という一日を大切にしようとも思うし、朝起きたら、まずは今日も生きることができることに感謝しようと思った。

今週は大阪旅行だ!2024.3.1 春の訪れとともに。


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