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条件つき義母家の着物の片づけ

結構難題の着物の片づけ。親の家片づけあるあるなのではないでしょうか。我が家にしてもしかりでした。

義母家の着物には歴史がある

義母は結婚直後から舅、姑、小姑家族と一緒の、いわゆる大家族で暮らしていました。ちなみに大家族で営むような農家などではありません。後に自営業にはなりますが当初は普通のサラリーマン家庭です。

その生活を始めるにあたり都心での暮らしをやめ、今ある郊外に家を建てたというのですから…時代背景もあるのでしょうがどんな理由があるにせよ大きな決心が必要だったのではないかな…と思います。

私には絶対にできないと思うと、それに関しては尊敬しかありません。

そんな経緯がありモノ持ちだった義母の姑が持ち込んだ、それはそれはたくさんの着物が眠ったまま残っていたのでした。

そのほとんどが正絹の手縫、中には大島紬も。

とはいえ今となってはデザインも古くなり、サイズも現代人の体格には合わないものばかり。

おまけに昔の防虫剤、いわゆる樟脳の香りも染み付いています。

箪笥の肥やしとはよく言ったもので、本当にそんな状態でした。

それらが桐箪笥のほかに収納ケースに入れられ押入れの大部分を占めており、本来収納されるべき布団は何故か部屋の片隅にたたんで置かれ、その上に埃よけの布がかけられている状態が長年続いてたわけです。

我が家の子供たちが小さい頃はよくその布団の上にジャンプしては飛び込んで叱られてたなぁ笑(今思えば、そこに置いておくのも悪い笑)。

余談はさておき、ついに夫が立ち上がり?笑義母を説得。

ようやくその着物たちが片づけられることになりました。

そのネゴシエーション?笑の場に私はいませんでしたが、義母は渋々OKを出したそうで、片づけにはある条件がついていました。

それは「良い着物たちなので高く売れれば手放していい」ということ。

日中からよくテレビを観る義母は、しばしばその時間帯の視聴者層に合わせたコマーシャルの影響を強く受けることがあります。

いろんな買取業者のCMを見尽くしているせいか「古い着物は高く売れる」と信じきっていたようです(これが後から私をとても苦しめることになるのですが…下記参照)。

条件がついていたとしてもこの状況から一歩進めるならやってみよう、そんなこんなで始まった義母家の着物の片づけ。

これもなかなか結構手強いものがありました笑。

レポートしていきます。


まずは収納状況をチェックします。

昭和感満載の桐箪笥。なんだか趣ありますね。

押入れから複数の収納ケースを取り出します。

樟脳の匂いがすごくて倒れそうに笑。虫、絶対こないわ笑

義母に聞きながら中身を一枚一枚確認します。

一枚ずつたとう紙に包まれ大切に保管されていました

実は片づけをしてわかったことなのですが義母のものはほとんどなく、義母の姑と小姑の着物が大量にありました。

その当時、いわゆる居候だったはずの小姑の着物の方がはるかに多かった義母…どんな気持ちだったのかなぁ…そんな事を考えるとちょっと切なくなりました。

想像していた以上に普段着として着用していたものも多くあり、それらはこの片づけて全て手放すことに。

リサイクルなしでOKになったもの

ただし、条件どおりリサイクルにする着物も30着を超え、それらはテレビCMなどでも盛んに宣伝していたリサイクル業者に依頼をかけようということになりました。

ただ主人も私もなんとなく(もうこれは第六感的な感覚としか言いようがないのですが)一人暮らしお¥の義母の家に来てもらうのが嫌だったので、樟脳の匂いとともに持ち帰りました。

義母の意向を踏まえ、依頼をかけたのは安心できそうな大手の会社です。

予約をとり家にまで来てもらいました。

不用品買取には気をつけて!

当日までにとりあえず30着に絞ろうと、義母には内緒で何着かを市のリサイクルに回しました。

そしていよいよ査定の日。来たのは担当と名乗る整った顔立ちの若い男性だったののには少し驚きました。

というのも着物の査定なので、もっと年配の経験のある方がいらっしゃるのかなと勝手に想像していたからです。正直、こんなに若い人でも査定できるの?と思ったものです。

様子を見てみると査定はその若い男性が直接行なっていたのではなく、一枚一枚の着物をいくつかの決められた角度から撮影し、その画像を本部にいる査定人に送りって金額を出す、という遠隔作業がおこなれていました。そのためとにかく時間がかかります。

2時間ほどかかってようやく終了。

出てきたお値段を聞くと全部でなんと1,000円とのこと。

かなり古いものだし、お金額が出ただけでもよかったのかな?と一瞬思ったのですが義母からの約束を取り付けられている?主人はそれでは納得しませんでしたので結局お断りすることに。

なんとなくもやもやしながらも残念ですがお売りできないですとお断りし、お帰り頂こうと思ったら今度はなかなか帰ってくれません。
どうしたことか?と思いきや「何か要らなくなったブランド品はありますか?ブランド品でなければアクセサリーでもいいです。」と急に言い出したので?と思いましたが、実は着物の査定と表向きには言っていてもこれがメインの目的?と勘繰ってしまい「やはりこういうのはちょっとあぶないのかな」と、義母の家で行わなかったことを心底良い判断だったと実感したものです。

「ないですよ」とお断りするも「こないだ同じように着物の査定にいった女性の家で同じ事を聞いたら古びた缶を持ってきて”こんなガラクタしかないのよ”とおっしゃるので念の為見てみたらなんと錆びた缶の底の方にあったネックレスと指輪で全部で5万円の査定がついたんです、そういうガラクタと思っているものでも結構ですので何かないですか?カメラでもいいです」と、かなりしつこい笑。

実は予約の際、オペレータが「当社の決まりで当日そういう事を担当が聞くかもしれませんが、なければないとおっしゃってください」と言われていたのではっきりとお断りしたのですが、だいぶ頑張っておられましたね笑

その日の晩に再度その会社のオペレーターが「担当者がしつこく着物以外のことで居座ることはなかったですか?」と聞かれたものの、2時間も頑張って査定してくれていたことは事実だったので「なかったですよ。とても感じよくやってくださいました」とお答えしました。でも…多分二度と依頼はかけないかな…と思います笑。

ありがたかった着物リサイクル業者

主人は「高く売れる」と思い込んでいる義母のために、もうちょっと頑張ってみよう(って頑張るのは結局私なんですが笑)ということで別の業者を探すことにしました。

調べてみると着物リサイクル専門の業者があるではないですか。

いくつか店舗も持っていて、店持ち込みで査定もしてくれるとのこと。早速家から近いお店に問い合わせてみると、電話で内容に少し触れただけですぐに「そのお着物ではおそらくお値段はつかないと思いますね」とのこと。やっぱそうだよね…と思いながらもその業者は店舗以外の倉庫のような場所に本部があり、時間内であれば予約なしで持ち込んで査定もしてもらえ、もしかしてそこの方が条件もいいかもしれない、と教えていただいたこともありダメもとでやってみることにしました。

受付を済ませると担当の方がいらして京都弁で見るからに着物に精通してそうな感じで頼もしい。そして査定もあっという間の10分くらいだったと思います。
結果はほどんどのものは生地が良いがデザインが古い、現代人の体格に合わない、そのため値段はつかないとのことでした。

私が残念な表情を浮かべていると、「ただ、ここまで重たい思いをして売りに来てくださったこともあり、強いて言えば一着だけ良いものががあったので本来より少し良いお値段買い取らせていただきましょう、それで良いでしょうか?」と提案をがあり、思った以上のお値段で買い取っていただき別途交通費まで上乗せしてくださいました。

なんと優しい…TT

義母には一部始終を話して納得してもらいました。でもこれで終わりではありません。

大きな袋5袋分捨て、30着以上のリサイクルしてもなお箪笥ひと竿分残っているのです。けれどこの経験は次回の片づけで活かされるだろうし、ここまで大変なことにはならないと確信しています。

…とここまでは少し前の話なのでリサイクル業者の状況は変わっているかもしれません。ただ私の状況や気持ちまでを汲んで査定してくださったたんす屋さんには今でも感謝の思いでいっぱいです。

無機質な倉庫内でひときわほっこりするでディスプレイ

また義母に関してですが、私に申し訳ない事をしたと買い取ってもらったお金は要らないとのことで、売れた金額にお小遣いを上乗せ渡してくれました。
(いやでも時給換算したらそれどころじゃないって笑笑)

まだまだ義母家の片づけは続きます。


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