小手姫の墓がある女神山ーその概要
女神山は「うつくしまふくしま百名山」の一つで、川俣町秋山と月舘町にまたがってそびえる標高599.4mの秀峰です。独立峰のようにそびえる姿は名前のごとく女神が住む山かと見えます。川俣町でも月舘町でも「女神山」についての伝説や言い伝えが多くあり、山麓の人々にとって心の拠り所となる山です。案内板や登山道が整備されており、四季を通じて訪れる人が絶えません。麓には樹齢400年以上と言われる「秋山の駒ザクラ」があり、草花や昆虫も多く、展望が開けているためにいろいろな楽しみ方ができます。山頂には川俣町で唯一の一等三角点があり、また女神神社が建立されていますが、いつごろ創建されたのかは不明だそうです。「祭礼ハ三月十五日」とあり、また古くからのしきたりに「山のぼり」と称して、4月の酉の日に婦人たちが寿司や煮〆を作って集落中が山登りを楽しみました。
「うつくしま百名山」は1998年に福島テレビが制定し、1999年に刊行された「うつくしま百名山ー福島県のふるさとの山々」で紹介された県内の各地域を代表する名山のリストです。これを基に福島テレビが2021年に「新うつくしま百名山」を刊行し、新版では旧版から15座の山が入れ替えられています。
女神山の山頂に近づくにつれて、イボイボした岩が現れてきます。この岩は火成岩の一つの玄武岩で、昔は「この岩に足をかけると雨が降る」と語り継がれ、『雨降らしの岩』とも言われています。女神山の山開きは毎年4月の第3日曜日に、秋山地区集会所で式典を行い揃って登山をしています。
女神山へのアクセスは、JRバス東北「福島駅東口~川俣高校前」で「十二社(じゅうにしろ)」下車。女神山の登山口は、川俣町秋山地区の堀切(ほりきり)、椚平(くぬぎだいら)と月舘町にあります。秋山地区集会所の住所は秋山字仲田2ー1です。
令和6年(2024)の山開きは4月21日(日曜日)午前8時から秋山地区集会所で開会式が行われ、先着で登頂記念品の配布があり、川俣シャモ汁が振る舞われ、アンスリウムやオリジナルマグカップの販売がありました。女神山の登山道ではカタクリをはじめ多くの草花が咲いていて登山者の目を楽しませたそうです。
秋山の駒ザクラは女神山の麓にある推定樹齢500年以上と言われるエドヒガンザクラの巨木で、樹高約21m、目通り径5.1m、根周り5.4mです。エドヒガンザクラは3分から4分咲きの時はピンク色がきれいで、8分咲きから満開になると、白色を帯びた淡紅色の小花が巨木を美しく飾ります。駒ザクラの後ろの松林を見ると、亀が斜面を登っているように見える岩があり、「亀の子岩」と名付けられ、駒ザクラの近くにあるあずま屋から見ると女神山とセットで楽しめるそうです。
駒ザクラのある場所は秋山字小長石。道の駅川俣から国道114号経由で12分。
カタクリ(片栗)は、ユリ科カタクリ属の多年草。山地の林内に群生し、かつては球根から片栗粉が作られました。
アンスリウムは熱帯アメリカ原産の観葉植物で、川俣町のアンスリウムは近畿大学による、オール近大川俣町復興プロジェクトの一環として、東日本大震災とそれに伴う原子力災害により、土壌栽培でなく人工培地を使って栽培され、令和元年(2019)に東京の市場に初めて出荷されました。
女神山への登山ルートは川俣町のホームページに詳しく紹介されています。