寒気団流入 新嘗祭です。雪やら日本文藝史やら「わび」「さび」やら
勤労感謝の日。皇室では新嘗祭。天皇陛下が秋の収穫に感謝して、祭事を行う日です。ハロウインよりよほど日本人にとって大切な日であるはずなのに、なぜ多くの日本人はハロウインに大騒ぎし、新嘗祭を無視するのでしょうか。西洋かぶれか。
気温11℃。ずいぶん冷えてきました。奥飛騨は雪とか。ウイングヒルズ白鳥やホワイトピア高鷲は営業を始めていると聞きます。まだまだ人工のアイスクラッシャー雪ですので、私は行きませんが、シーズンインももうすぐです。ひと月後には冬至ですので、雪の季節は春に向かう季節です。わずかな期間を充分楽しみたいと思います。
今、小西甚一『日本文藝史Ⅳ』(講談社)を読んでいて、芭蕉のところまで来たのですが、「わび」「さび」ということに言及しているところがあって、「わび」「さび」ということについてあまり正しく認識していなかったことに思い至りました。
「わび」とは貧窮、困惑、辛苦の様。貧乏で辛く困っていることが原義のようです。「さび」は、閑寂、老朽、荒涼の様。古くなって生気を失い静かに寂しくなっていることだとか。私の場合、「わび」よりも「さび」に近いかもしれません。だから何と言われても何もないのですが、自己認識の一つを得た気分です。
何で『日本文藝史』を読んでいるのか。そんなものを読んでも眠いだけだと言う声が聞こえます。実際私は半分眠りながら読んでいたりするのですが、これは私の娯楽なのです。日本文藝の移り変わりを克明に知ることが楽しい。少し賢くなったような気がする。知的虚栄心を満たす。自己満足なのです。もっとほかの喜びがあるのではないか、という声も聞こえますが、自分で日本文藝の流れを解き明かす能力がありませんので、他人の、優秀な学者の業績を読んで知識を得、楽しみとしているのです。
霜葉の赤き知らせを聞きながら一歩も出でず炬燵守り人
冬立ちぬ雪の知らせを寿ぎて胸なでおろす待ってろ八方