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「村に火をつけ、白痴になれ」は役に立つのか

村に火をつけ、白痴になれ

わたしのゴキゲンスーパー列伝に入っている
大正を生きたアナキスト 伊藤野枝 の人生にまつわる本。

特に好きな彼女の生き様をトリミングして紹介したい。

金がなければもらえばいい。
なるほど・・・・、この発想なかった。
「もらえばいいのかー」とはならない。
飯がなければ、もらえばいい。
なるほど・・・・、もらえばいいのか。

恋愛

結婚制度クソくらえ。
はやすぎる!まだ女性の参政権なんて遠い時代に、あまりにも思想がはやい、欧米の第二波フェミニズムを先取りしている。
ちなみに彼女は望むがままに好きな男とセックスして出産すればいいという、マインド。不倫上等。
当時の人たちがついて来られるわけもなく…。
自由奔放さを非難されると、長女には悪魔の子として「魔子」と名づけ、次女には「エマ」と名づけ、三女には次女と同じ「エマ」と名づける、、、もう、エピソードが強すぎる。
エマはエマ・ゴールドマンのエマだ。
とても子宝に恵まれた。

何が私をこうさせたか 獄中手記

伊藤野枝のことを書いたら、同時代を生きた 金子文子のことも絶対かきたい!
大逆罪で死刑判決を受け、牢獄で死んだアナキスト、彼女の獄中手記は泣きながら読んだ。

彼女が国家権力と戦うに至るかの理由は、彼女の人生そのものだ。
親に捨てられ、学問を奪われ、家父長制に蹴飛ばされ、女性としておもちゃにされ、その全ての原因は支配するもの、モノとして扱われたわたしに起因する。
手記には無いが、彼女の死ぬまでの記録はぼんやり知っている。
天皇から減刑を受けると「なぜ貴方に私を減刑する権利があるのか?命をもてあそぶな」という態度。筋が通っている。
彼女の本心を知ることはできないが、生きたかったに決まってる。

彼女の思想のそのすべてを受け入れることはできないけど、彼女の理由には共感するし、共感すれば胸が痛い。


同じ時代を生きた二人の女性の人生にまつわる本をまとめて並べたが、共通点はとにかく二人ともクレバーだ。
伊藤野枝の言論は現在でも通じる、革新性と強度がある。
金子文子はいくら本をとりあげられても、隠れて命がけで本を読み続けた。
わたしは隠れずに堂々と本が読めるのだ。たくさん読んで損することはない。

彼女たちが今際まで抵抗したものを自ら進んで受け入れようとするムーヴは身近にある。権力を監視するための憲法に自ら個人を束縛させようと願う人たち、素直に率直にえっ、何で?と思う。
どんなときでも尊重するべきは個人だ。そこに迷いなんて一個もない。

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