見出し画像

一学期最後の通信である

8/8

毎日一枚のペースを保ちながら通信を書き続けることができた。子どもたちもそうだが、保護者の方から「クラスの雰囲気が知れて嬉しいです」「毎日、書くの大変じゃないですか。」「あれ、すごいですね」と反響があったことは嬉しかった。この一学期はいろいろなことがあった。それでも、何とか夏休みにたどり着くことができた。よかった。

以下は、一学期最後の通信である。

例年なら夏休みの真っただ中。しかし,今年度はコロナの影響で夏休みが短縮され,この日もいつも通りに学校がありました。
 僕の小学校の頃はこの日は全校登校日。みんなが体育館に集まって黙祷をするのです。そんな子ども時代を過ごしものですから,僕にとっては特別な日であり,機会があれば話をしたいと思っていました。
この日は,図書パートさんにお願いをして一冊の絵本を貸してもらいました。理由を話すと「すごい!その日のことをお話するってとても大切なことだと思う。先生のクラスの子たちは羨ましい」と言っていました。借りたのは『わたしのヒロシマ』(森本順子・作)。この絵本を通して,初めて「原爆」の思いを語ることができました。子どもたちも食い入るように見ていました。きっと,「一つの花」の勉強を丁寧に取り組んだこともあって,その時の光景がイメージしやすかったのだと思います。
 75年前の8月6日。ヒロシマに原子爆弾が落とされました。一瞬のうちに多くの命が奪われ,「生きたい」と願った人の思いが叶わなかった日。そして,今も苦しんでいる人がいます。僕たちは,それを忘れてはいけないのです。

 今年度ほど,大きく環境や状況が変わった年はありません。「いざ、出発だ!」と思った次の日には休校。2ヶ月弱の休校の後,分散登校。6月からは通常登校になりましが,コロナの影響で学校での生活や学び方が大きく変わることになりました。僕たち大人ですら,変化への対応に戸惑いました。きっと,子どもたちは僕たち以上に辛かったと思います。
そんな中でも,子どもたちは大きく成長する姿がありました。先生の話を最後まで聴けるようになりました。発言をする際に丁寧語を使えるようになりました。「お願いします」「ありがとうございます」が言えるようになりました。友達のため,クラスのために自主的に行動することができるようになりました。挙げ出したら切りがありません。
 懇談会の中で「朝早く起きて勉強しています。今まで見たことありません」「とめ,はね,はらいに意識をするようになり,字がきれいになりました」「ちゃんとしなければいけないと意識が変わったようです」と。保護者の方も,成長を感じる場面が多くあったようです。
大変でしたが,充実した時間を過ごしたと思います。一学期間ありがとうございました。では,よい夏休みを!

バラ色の日々 / THE YELLOW MONKEY を聴きながら…
2020年8月7日 早朝の書斎にて 奥井 貴仁


いいなと思ったら応援しよう!