音楽:「ロックンロール」と「ロック」の違いについて(後編)
前回は、「ロックンロール」と「ロック」について
①時代的な観点、について書かせてもらいました。
今回は、②音楽に対するリスナーの認識、といった観点について書いてみたいと思います。
これも①の仕切り方と結果的にほぼ同じ時期になるのですが、
「ロックンロール」≒エンターテインメント(娯楽)
「ロック」≒アート(芸術)
と捉えられるようになったことによって分けることが出来ます。
その発起人は「ザ・ビートルズ」でした。
ザ・ビートルズは、登場初期は「アイドル」的な人気があり、その音楽・パフォーマンスは、「ロックンロール」≒エンタメでした。
しかし、そういった「音楽の内容とは直接的に関係のない人気」や、「大きくなりすぎた彼らの虚像に対する酷い仕打ち」などに嫌気がさした彼らは、ライブを行うことを止めて、スタジオミュージシャンにシフトして、実験的な作品を制作するようになりました。スタジオで、潤沢な資金を元に、時代の最先端の技術を駆使した実験的なサウンドを試行し、作品を発表したことから、「ロックンロールはエンタメだが、ザ・ビートルズの音楽はアートだ。こういった音楽を「ロック」と呼ぶことにしよう」とメディアとリスナーが認識した、という現象があったと聞きます。
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