音楽:メンバー固定バンドの「ケミストリー」~海千山千のセッション・ミュージシャンが唯一敵わないこと

先日、「ザ・ビートルズ」のNHKのドキュメンタリー番組を観て、改めて彼らの音楽を聴き返したり、物思いにふけったりしました。
そして改めて感じたのは、
「歌・演奏は特別上手くはないが、表現力(歌い方・振る舞い・楽曲・歌詞)がモンスター過ぎる!!」
ということです。

ザ・ビートルズは作詞作曲のほとんどを「ジョン・レノン」か「ポール・マッカートニー」(もしくは両方)が行っていました(なお、どちらが(主導的に)作っても「レノン=マッカートニー」と(特に初期は)表記されているのですが、大体、メインヴォーカルを行っている方が主導的に作っている、というのが通説です)。
なので、楽器の上手/下手に関わらず、ザ・ビートルズにこの二人は不可欠だったので、代替として考える余地はないのですが、ギターの「ジョージ・ハリスン」とドラムスの「リンゴ・スター」に関しては、昔からのタラレバで、「もっと楽器演奏が上手い人がメンバーだったら、もっと素晴らしかったはず」と言われていて、ファンの間でも割と意見の別れるところです。
(しかしジョージ・ハリスンに関しては(当時からそういう声もあったし、ジョンもポールもギター弾けたので)自身のアイデンティティを確保するため「シタール」という東洋の楽器を猛練習して、ザ・ビートルズの音楽性に多大な影響を与えたので、リンゴ・スターと比べるとバンドに結果的には必要不可欠ではあったのですが)

しかし、私の個人的な見解としては、
『この四人でなければ「ザ・ビートルズ」は「ザ・ビートルズ」にはなり得なかった』
と思っています。

それは何故か?
ということを、特定のバンドには所属していない、所謂「スタジオ・ミュージシャン(もしくはライブなどのサポート・ミュージシャン)」で大活躍されている、近年YouTubeでかなりの毒舌で動画配信されている、凄腕の(主に)ジャズ・ベーシストの方の発言で、興味深いことを仰っていたので、要約・意訳してご紹介します。

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