雅楽の稽古・チューニングにこのアプリ~ピタゴラス音律にできる
雅楽の音はピタゴラス音律というルールで配列されています。
ですので、一般のクロマチックチューナー(デフォルトで十二平均律に設定されている)を使うと、その表示に誤差が生じます。(参照:雅楽〜チューナーに合わせると、これくらい違う)
設定でピタゴラス音律に変更できるチューナーアプリを見つけたので、ご紹介します。
gStringsというアプリです。
有料(650円)です。Androidしか対応していないようです。
このようなアプリを長年探していましたが、唯一 見つけた無料アプリが、ダウンロードができなくなっていました。
このアプリを使うと、雅楽用調子笛と同様の音を、指先ひとつで出せるようになります。唱歌の練習に便利です。もちろん、目盛り(針)を見ながら、楽器の調律や、練習中に音の高さを確認することもできます。
設定方法
注:②の後で出てくる一覧からPythagorean-Aを選んで⑧に飛んでも構いません。下記手順の設定の値とやや違いますが、その違いは1セント程度ですので、細かいことが気にならなければ、この方が楽です。(セントは音程の単位で、半音=100セント)
①画面下部の△印をタップ。
②一番上のTemperamentをタップ。
③画面右下の+マークをタップ。
④上端のNameに好きな名前(例:雅楽)を入力。
⑤アルファベット(#付きも)に対応する数値を入力。数値は、下記を参照してください。
⑥画面左上◁◁をタップ。
⑦文字列一番上に設定した名前が出てくるので、左端の○をタップして選択。
⑧画面左上◁をタップ。
⑨上から3つ目のOrchestra tuningをタップ。
⑩Set custom[Hz]の数値を430に変更。
⑪画面左上の◁をタップ。
⑫画面左上の▽をタップ。
以上で設定終了です。
楽器を鳴らして、針が中心に来ればドンピシャの音高が出せています。
音が低いと針は左に、高いと右に振れます。
目盛りに100CとあるCは、セントのことです。
目盛りで、中心の左右に濃い部分があります。これは、プラスマイナス13.7セントを指しています。
人の耳はだいたい10セントの違いを聞き分けると言われていますので、高くても低くても、この濃い目盛り以内に収まるよう、音を出しましょう。
ドンピシャが理想ですが、龍笛・篳篥は難しいです。
チューナーから音を出す
①針のある画面で、右下の緑の、鍵マーク(Autoと書いてある)をタップ。
②音叉マークが現れるので、それをタップすると、画面上部に出ている大きなアルファベットの音が出ます。
もう一度音叉をタップすると音が止まります。
アルファベットは左右にスワイプして変えることができます。
これを使うと、音を確認しながら、唱歌の練習をすることができます。
ただ、残念なことに、洋楽表示しか設定できないので、A=黄鐘、B=盤渉…というように、対応関係を覚えなければなりません。
最初のうちは、対応表を作って傍らに置いておくといいでしょう。
終わりに
一般のチューナーアプリなら無料もあります。
それを使えばいい、大きくても12セントの誤差は気にしない、ということもあるかもしれません。
でも、「いやいや、気になるよ!」 という私のような人には、おすすめのアプリです。
欲を言えば、音を出すとき、もっと、パッとアルファベットを選択できる、さらに言えば、雅楽の音名で表示されればありがたいのですが…。
そこまでできるアプリは、もう自分で開発するしかなさそうです。