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異世界トリップして勇者になったら。
目覚めると異世界だった。
ほぼ、崖と平地。たまに森があり流れる川などなど。
さ迷っていると、水辺で髪を洗う女性がいた。
髪色はピンクである。染めてるのかしら、いや、そういう世界なんだろう。アニメ的でゲーム的ってことで、ビジュアル系バンドの追っかけっていうわけでもなさそうである。
僕は、近づいていいか戸惑っていると、
「誰?」
と、気づかれた。
「あ、あの、ここは?」
「部外者?」
「え、はい、目覚めたら、ここにいて、僕にはさっぱり」
「では、この薬草を食べなさい」
「なぜ?」
「この薬草を食べると、あなたが嘘をついているかわかるの」
僕は、言われるがまま、彼女が指さす、革袋から薬草を取り出し口にした。
と、同時に僕は身体に力がみなぎり、生まれ変わったような気がした。
「もしかして、あなたは……」
僕は、空を飛べる気がした。
そう思ったと同時に、体が宙に浮いた。
手から、波動を出せる気がした。
と、同時に、手のひらから、何かしらのパワーが破裂するような勢いを感じ、雲を突き破った。
「いったいこれは……」
「この薬草を食べると嘘つきは死ぬの。でも、真の勇者は目覚めるの」
「勇者、僕が勇者……」
と、物陰から、
「認めないよ」
と、緑色のショートカットの女性が現れた。
「なんだ、君は」
「私はね、伝説の勇者と、婚約することになっているものさ」
すると、空から大きな獣の叫び声と同時に、羽の生えた怪獣に乗った女性が現れた。赤髪の女性。
「あんたが勇者だって、笑わせんな。私は勇者を倒すために、今まで育てられたのさ、本当にそうか、徹底的に付きまとってやるからな!」
とのこと。
三人とも美人である。
何でもありなんだなと思う。
が、その前に、
「トイレってどこすか?」
三人ともきょとんとする。
ピンクが言う、
「勇者は、トイレ行かない」
緑も言う、
「勇者は、排泄しない」
赤も言う、
「この世界にトイレなどない」
昔のアイドルかよ。
勇者って……。
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