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星一つ。

二年ぐらいかけて書いた小説。
それをネットに発表したけれど、大して反応はなかった。

僕は面白いと思っていたのだけれど、そんなに響かなかったんだなぁと、静かに落ち込む。
落ち込みながらも、続いていく日常生活。
「……」
まあ、でもしょうがないじゃないかと。

一年が過ぎた頃、知らない誰かが星五つをつけてくれた。
レビューはなかった。
ああ、誰かが楽しんでくれたんだ。嬉しいなぁと、僕は、励まされて、静かに笑みを浮かべる。

それから一年後、今度は、星一つをつけられる。
一つ? レビューはなかった。
そんなにひどいのだろうか? 落ち込む。この人にはまったく響かなかったという話なのだろうけれど。
なんだろう。わざわざそれを知らせたいんだと。悲しくなる。

それで僕はどうするのかっていう話なのだけれど、まだ小説を書いていく。一日、数行を毎日繰り返して、長い話に仕上げていく。
その世界に入り込んで、その世界の中で起こることを体験しながら、僕自身、どこへ行きつくのか分からないまま、物語は進んでいく。
書いて、止まり、また直して、また書き進めていく。たまに思う。僕はいったい何をしているのだろうか?
これを書き上げて、発表して、そして、星一つをつけられる。
誰かが応援してくれたら、嬉しいのになぁと思う。
けれど、あまり届いていないのかもしれないと落ち込む。
僕の物語は、誰かを励ましたり、楽しませたり、日々への応援なんかが出来ていいのかもしれないと考える。
それは少し悲しいなぁと思う。
けれど、僕は、今日も少しずつ書き進めていく。いつか「その人」と繋がれると良いなぁと思う。そして、見つけてくれたらって願う。「その人」が楽しんでくれたらいいなぁと思う。

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