見出し画像

介護Deボッタクリ

米国大統領選はトランプ氏が制しました。世界中で紛争が絶えない中で、これからどのような世界になるのか。少なくとも米国で大幅減税や関税の引き上げが実施されれば確実にインフレが長引きます。物価高に不満を抱える国民にまたもやバラマキをするようならインフレ・スパイラルが続く懸念があります。
 米国市場は(取りあえず?)減税とインフレ期待?で買われています。日本においては与党が過半数を割ったことで少しは真っ当な政治環境になりそうな雰囲気です。

 ここでは毎度の愚痴は止めて(苦笑)、一つだけ書きたいことは、選挙に行かない方は政権批判や現状の行政への不満を言うべきでは無いと感じたことです。つまり「選挙に行かない=決まったことに従う」と言う意思表示なのですから。

 余談ですが、トランプ氏が大統領になったらウクライナ戦争は即日終結するらしいですが本当ですかね(汗)。これ以上の殺戮が止められることを願います。


 さて、懇意にしている介護業者の方に伺った話しですが、とある有料老人ホームでは医療機関(診療所)による検診回数を増やしたり、必要と思われる以上の薬を処方したり、不要なほどの介護用品のレンタルを勧めたりなど、多くの外部サービスを利用させるケースがあるとの事です。
 中にはケアマネージャーさんに対して所属組織から福祉用品の利用を増やせ(=利益を増やせ)とのプレッシャーもあると聴きます。利用を増やせば当然費用は膨らみますが、大半の方は1割負担で少額ですから利用者は(親族も)勧められれば受け入れます。

 裏で金が動いているのかは分からないが、事業所オーナーの関連企業が中間業者として入っていたり、その訪問診療に力を入れている診療所の院長の私生活が異常なほど贅沢なため、相当儲けているのではないかとも仰っていました。

 ホームに入所している方のご親族と情報交換をする機会があり、受領書の一部を見せて頂くことが出来ましたが、契約しているクリニックや薬局などから其々、毎月3,000円~7,000円ほど、多い月には1万数千円の引き落としとなっていました。1割負担の方ですので診療所の収入はその10倍にもなります。
 入所しているおばあちゃんは入所前は健康で薬も飲んでいなかったのに、入所早々に血圧や安眠用の薬、精神安定剤など複数の薬が処方されたとのことです。もちろん担当医とホームの看護師との話し合いで決められた事なのでしょうが、親族の方は毎月届く受領書を見つつ本当に必要なのか?気がかりだと教えてくれました。

 契約先の施設で、仮に入所者のうち10名に似たような処置をしているなら、訪問診療をした日だけで1施設当たり上記の10倍の収入を得ている計算になります。加えて、診療所の医師が行かなくとも契約医師を派遣すれば、派遣料を支払った残額が純収益として残ります。まさに濡れ手に粟でしょうか。

 実際のところ過剰診療や薬の過剰投与は無いのか?調べる術が無いし、下手に施設とのトラブルを起こしたくないので黙っていると仰っていました。

 医療行為に限らず、例えば介護現場で使う福祉用品では、介護用のレンタルベッドが月額3,000~5,000円程かかります(保険適用1割負担の場合)。同様にベッドから起き上がる際に掴まる手すりが200円、歩行器が300円~400円と様々な福祉用品がありますが、1割負担とすれば実額は保険負担を含めて其々10倍の費用です。つまりベッドで月額30,000~50,000円、手すりで2,000円、歩行器で3~4,000円程がレンタル業者の収入になり、これらの9割が介護保険から支払われます。

 ここからは取材をした訳では無いので憶測ですが、介護用品の価格を調べると、メーカー希望小売価格が年間レンタル料の1年弱ほどの用品が多く見られるため、運営コストを別にすれば、荒っぽい計算ですが、業者は1年足らずで商材の元を回収(償却)出来てしまい、それ以降のレンタル料は全て粗利になります。
 上記が適正な価格なのかは福祉用品レンタル業の経験が無い筆者には分かりませんが、以前は業者によってレンタル料に大きな開きがあったため利用者保護を目的に、2018年からは各自治体でレンタル料の上限額を決めるようになりました。

 介護や福祉用品の世界にも利権構造が広がっているようです。この業界には某大手商社が相当食い込んでおり、参入障壁が低い業界であるものの、上手くやらないと新参者は排除されるケースもあると教えてくれた業者さんも居ます。

 金儲けに血道をあげる介護関連業者・医療関係者がいる一方で、それを抑えるための規制強化が善良な業者を圧迫します。これはどの業界にも見られる現象ですが、国民福祉を維持するためには介護職員の待遇をアップさせる事は当然として、想定外の利益追求型の業者や医療関係者を管理する法整備が必要です。原資は国民の保険料や血税であり、現状のままの自治体への丸投げでは介護保険制度自体が早晩破綻する事態となります。
 介護保険は既に年間20兆円もの支出となっていますから、介護産業は国内トップクラスの市場規模になっていると言えます。

 介護保険制度が始まって20余年。人も予算も不十分な自治体レベルでは目が届かないままに介護ビジネスの闇が広がっている感触があります。

 加えて、気になるのはグループホームです。
 認知症患者ばかりのためサービス不足や虐待があっても表面化し辛い施設です。ヒアリングした限り、人員配置などから最低限のサービスしか提供出来ていない(食事など以外は放置?)と感じられる施設もあります。自治体による監視が行き届いていない施設も多そうです。
 一般的な老人ホームより職員の手間が掛かり、住民票のある自治体内でしか入所できないことでグループホームの少ない自治体では入所者が入所するホームを選べない、つまり止むを得ず空いた施設に入るしかない構図になっています。

 理想を言えば、医療や介護事業が既得権を脱し、公正な競争を伴ったサービス産業として成長することですが、公的資金の奪い合いを基本とした自治体丸投げのビジネスモデルでは、外部監視も不十分なままに利権構造が増殖され易くなります。

 現実に則した法令を整備し、民間の公正な競争を促す施策を構築(法令作りを)するのが政治家の仕事です。何度も書きますが、与党議員が血税をマネロンして懐に入れてしまうほど倫理観を失っていることが問題でした。
 国家運営の最高位組織(与党議員)の意識、倫理観がこの低レベルでは業者の不祥事を咎める訳にもいきません。

 介護や福祉関連の事業者は無数にありますが、上場していても小粒であり、零細企業が多く、大手企業の傘下企業も多数あります。参入障壁は低いものの非効率な規制の多い業界であり、結果として業界の成長性や効率性、透明性を維持するのが難しい状況です。
 介護事業者や住宅型有料老人ホームの倒産が増えているとのニュースも目にしますが、保険からの収入を充てにして企業体力の乏しい事業者が乱立している状態では何時まで経っても健全な成長は見込めないのでしょう。

 日本には今までの停滞を脱して大きな変化を促す政策が求められます。
 介護・福祉事業こそ(自治体への丸投げや福祉の概念では無く)国が音頭を取り、高齢化日本で成長産業にすべき事業では無いでしょうか。

 政治の世界も大きく変わり、これからは自公の密室(見えないところ)で決まってしまう既得権政治から政策を競う政治に替わることを期待しています。


(街のコンサルタント)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

いいなと思ったら応援しよう!