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もう年末です
先月末の億近イベントでは読者のご参加を得られて、お陰様で楽しい時間を過ごせました(^^)。そのうち機会があれば(色々なご経験がある)読者の皆さまともゆっくりお話し出来る機会があると良いなぁ~、と思いました。
早いです。1年があっという間に過ぎていきます。
ロシアがウクライナに侵略を始めてから既に3年になり、パレスチナへの虐殺は2年目に入り、シリアのアサド政権が倒れました。その他の地域でも様々な紛争が続いています。
大国の政治家や為政者の利害が交錯し、善良な世界市民への殺戮を止めることが出来ません。
さて、11月のメルマガにて・・・、
『日本には今までの停滞を脱して大きな変化を促す政策が求められます。介護険制度が始まって20余年。人も予算も不十分な自治体レベルでは目が届かないままに介護ビジネスの闇が広がっている感触が強まっています。』と書き
ました。
介護現場の方々のお話を聴くにつけ、入所費用の高低にかかわらず期待する程の施設は少なく感じます。もちろん運営コストとの兼ね合いもあるのでしょう。
この観点からは億単位の費用が必要となる施設は高級ホテル並みの設備や人的サービスが充実しているようです。が・・・、高いなりの不満を聴く事もあります。
まず、高額な施設は介護と言うより利益重視のデベロッパー案件と言えそうです。加えて、何せ我儘な富裕層が集まっていますし、見た目にばかり金をかけていますから良い話ばかりでは無いようです(苦笑)。
一方の一般的な施設では保険料の範囲内で利益を出すことに汲汲としている施設が多く見られます。利益を捻出するためには、1)設備やサービスの質を落とす、2)介護職員のコストをギリギリまで落とす、3)共益費や水光熱費などを高めに設定、4)提携業者の福祉関連サービスを多用する・・・、と言った組み合わせがないと中々利益を出せず、やっと経営を維持している施設が多いことが分かります。
人員の水増しなどは日常茶飯事のようですし、実際には介護サービスをしていないにも関わらず保険請求すると言った話しも多々お聞きすることがありました。そして残念なことに、行政(自治体)に告発しても十分かつ明確なエビデンスを提供しない限りほぼ動かない(解決しない)との事です。視点を替えれば悪質業者にとっては何でも有りの無法地帯の様相でもあります。
実際には善良な介護業者さんが多いし、職員の方々も(見習うべき程の)優しさや福祉の精神が旺盛で頭が下がる思いですが、国や行政のサポートが不足すれば「悪貨が良貨を駆逐する」と言った雰囲気を感じます。
介護施設への入所を検討されている方としては、まずは沢山の施設を見て歩くしか選ぶ方法が無いと言えそうです。
申し上げたいのは、各施設の経営者(または施設長、責任者)の入所者や現場職員への思いやりを感じられるか否か・・・です。
例えば見学の際に、利用者家族には愛想が良いものの入所者が集まるダイニングなどをゆっくり見せてもらえない、清潔感が無い、実際の利用方法等については形式的な説明に終始し、支払いや引き落としに関する説明が多い、訪問者に対して職員に笑顔が少なく、挨拶などでも妙に気を遣っている様子、施設長が訪問者と職員との対話を妨げるような閉鎖性を感じさせる雰囲気などなど。
表面的な施設の立派さや小綺麗な言葉(HPの記述等)では無く、訪問時や面接時に受ける直観的な感覚が必要と感じる次第です。
マーケットを振り返ります。
昨年(2023年)の春からはバフェット氏が日本株を買ったとのニュースや円安の進行を理由として日本株が買われ始めました。TOPIXで見れば昨年は2,000円弱から2,300円程度への値上がりでした。
昨年の連休頃からは中国市場からの資金移動と言ったニュースも増え、円安に伴い日本を代表する輸出型企業の業績向上期待と共に、商品値上げ(物価の上昇も)が急増したことで内需企業にも目が向きました。夏頃まで様子見をしていた投資家も、5月からのコロナ解禁や訪日客増加により売上が戻りつつあった小売りや外食業界の好決算を見て、前向きな投資姿勢に変化したのが昨年の秋です。
取引所から出された「資本コストと・・・」によって昨秋頃から株主還元を強化する企業が増えた事と、円安メリットを享受した企業の好決算発表が続き、今年に入ってからはもう一段の上昇に繋がりました。エヌビディアの躍進により日経平均株価などの指数に影響が大きい半導体株が賑わい、42,000円台の高値を付けるとともに、TOPIXは足元で2,700前後まで上がっています。
今年春頃からは海外の短期資金(アクティブ・ファンド)が大量に流入し、何かの材料が出る度に株価指数を乱高下させると言った環境にもなりました。不透明感が出てきた中で7月末の日銀利上げを受けて8月初旬に急落したことは記憶に新しいと思います。
その後は米国大統領選の話題が大きく取り上げられましたが、トランプ新大統領で決着すると共に11月からは株価が為替変動に連動することも減り、来年からの米新政権の動向を懸念するコメントが増えてきました。
来年も世界の混乱が続くとの予想が多く不透明感が増しています。米新政権の政策により米国の高インフレが続きそうな気配が漂っていますが、日銀は今月の政策決定会合では利上げを見送りました。とは言え来年早々には利上げが見込まれており、トランプ新政権の政策の方向性(混乱?)や世界中の紛争継続によっても世界的なインフレ圧力は続くと見られているようです。
このような中、ホンダと日産が経営統合を発表しました。世界の産業地図が変化し続ける中で漸く日本の大御所(ジャパニーズ・トラディショナル・カンパニー)同士が再編に動かざるを得なくなってきました。日産が外資に買収される前に経産省が動いたのでしょう。
一方、変化に乏しく長らく業績が低迷していた東邦亜鉛は増資を発表し、2018年1月の高値から1/10以下となりました。この上昇相場にも関わらず。時代の変化を感じますね。
自動車産業は日本経済の屋台骨を支える重要産業です。まだ暫くは頑張ってもらわねばなりません。両社の統合が進む過程で関連産業(業界ヒエラルキー)の構造変化も出てくるのでしょう。いよいよ面白い世界に入りつつあると感じます。
筆者の来年の市場イメージとしては、政治改革の進展(既得権の衰退や規制緩和が進むこと)や世界的なサプライチェーンの再構築、資源価格の落ち着きによる交易条件の改善、依然として低金利状態が続くこと、そして市場からのガバナンス圧力により日本市場の正常化が進むこと・・・等々で、どちらかと言えば楽観的に捉えています。
そして株式投資で基本とされるのは企業業績の向上と分配です。今後とも各企業の経営姿勢を注視していきたいと思います。
世界の平和と経済の安定、日本については企業業績やステークホルダーへの姿勢など、投資における重要な点を押さえつつ、来年の投資方針や銘柄研究を続けて行きましょう。
本年も拙い文章をお読みいただいたことに感謝いたします。
来年も皆さまのご健康とご多幸をお祈り申し上げ、年末のご挨拶とさせていただきます。
(街のコンサルタント)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)