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株式投資で経済を学ぶ
金融教育の専門家、遠藤です。
2024年にNISAがリニューアルされ、企業ではDCの導入が進み、国民に資産形成の知識はかなり届いてきたと思います。もちろんいまだに投資をスタートしていない人たちはいますが、遅かれ早かれそのような方々にも資産形成の知識は届いてくるものと思います。
学校でも投資商品の話がされるようになり、投資の知識は一般化されつつあります。
国民に長期、積立、分散の知識がついたら、次はどんな金融知識をつければ良いのでしょうか。
私がオススメなのは株式投資の知識です。株式投資をするためには、マクロ経済とミクロ経済の両方の知識が必要です。
ただ、大学の経済学部のような学び方をする必要はありません。大雑把に過去の経済がどのように動いてきたかを学べば充分です。
例えば、過去50年を振り返ると、日本の著しい経済成長やバブル崩壊、アメリカの.ドットコムバブルとその崩壊、サブプライムローンによるハリボテの経済成長とその崩壊、そしてリーマンショック、中国の高い経済成長と急減速、など繁栄と崩壊を学ぶことができます。
投資信託に積み立て投資をするのであれば、このようなことをあまり気にせず、ひたすらとコツコツ投資していれば勝手に資産形成はされていきます。コア資産は投資信託で作るのが良いでしょう。
ただ個別株の投資をするのであれば、投資タイミングや今後成長が期待できる企業を選び、抜かなければいけませんので、ある程度はマクロ経済に目をやる必要があります。
ミクロ経済も大事です。
昨今のように株式市場が比較的堅調な時でも企業によって勝ち組負け組はあります。業種で貧乏くじを引いている企業もあれば、経営判断が後手後手に回って、業績がおもわしくない企業もあります。逆に投資や変革をシビアに進めている企業は業績が伸び株価も安定しています。
企業のポテンシャルを図るためには、財務分析が不可欠です。直近の決算が良かった悪かったと言うような話ではなく、時代の変化とともにどのように企業構造を変革してきたのかと言うところまで見ていく必要があります。
例えば日立。東芝とは全く異なる運命をたどっています。
多くの事業を抱える両者がどう違うかを比較するのは容易ではありませんので、例えば私たちにとって身近なエレベーター事業を見てみます。
日立ビルシステムと東芝エレベーターの業績は、未上場企業ながら官報で確認することができます。東芝エレベーターは2023年度営業損失ですが、日立ビルシステムは 営業利益率8%の黒字です。
日立と言えばLumadaが想起されがちですが、日立の強さはそれだけでなく、グループにおける業績に対する意識の高さにあるのかもしれません。
社会人になってから証券会社の社員でもないのに、マクロ経済や企業の分析に時間を費やす事は難しいです。勉強や研究に時間が使える学生時代に株式投資の経験を積む事は、資産形成だけでなく、自身のキャリアプランを考える上でも大変有意義です。
学生向けに投資教育を広める気運は高まってきています。
投資の基礎が学べたら、次に株式投資を学びましょう。
(遠藤)
[遠藤 功二氏 プロフィール]
日本FP協会認定CFP
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
MBA(経営学修士)
大学時代に借金に追われた経験からFPの資格を取得し、金融機関に就職。
証券会社と外資系銀行で延べ1,000人以上の顧客を資産運用アドバイザーとして担当した経験上、日本には金融教育が足りていないことを確信する。
自己責任が求められる社会で、子供たちが自立して生きていけるよう、お金の教育講座を実施している。子育て世代の親たちと子供たちに、金融の知識を届けるため教育特化のFPとして奔走中。
子育て世代のための金融教育サービスFP君
web:https://fpkun.com
メッセージ:koji.endo@fpkun.com
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