負債のもたらす富
金融教育の専門家、遠藤です。
2024年はマイナス金利解除、利上げの実行された年として歴史的な年になりました。金利がある世の中で大切なことは負債の知識をを持っておくことです。
負債には大きく分けて2種類あります。担保付き負債と無担保負債です。
担保付き負債の代表は不動産ローンです。住宅ローンやアパートローンは個人でも利用できる負債です。
貸す側の銀行の立場で見れば、いざとなったら物件を差し押さえすれば焦げ付きを防止できるので安心です。ゆえに金利も比較的低いです。
住宅ローンの金利はかなり高いもので2%程度です。無担保のカードローンなどと比較すると金利は数分の1です。
固定資産を購入して低めの金利を払いながら返済をしていく。返済が終われば固定資産は自分のものになる。人類が考えた経済的に豊かになるテクニックです。
もちろんずっと賃貸暮らしの選択肢やローンを組まずにお金を貯めて家を買う選択肢もあります。しかし、そのやり方は資産を得るのに時間がかかります。
車も同じです。カーローンを組んでまず買ってしまい、借金を返済すれば動産が残ります。
奨学金については、無担保にも関わらず低金利でお金が借りられます。負債を返還すれば、学歴と知識が無形の純資産として自分の手に残ります。
改めて負債は私たちが経済的な豊かさを得るためにとても役立つツールだと思います。
学校教育でも負債の活用についてもっと子供達に教えていったら良いと思います。
ただ借金を肯定するとハレーションが起きるでしょう。借金で人生が壊れた人はたくさんいるからです。
借金は確かに使い方を間違えれば危険なものです。だからこそ知識をもって賢く適切に使うべきなのです。
また、借金は収入が上がっていけば大して怖いものではありません。
例えば年収500万円の状態で銀行が貸してくれる限界目一杯の借金をしたとしても、年収が1000万円に増えれば返済に苦しむことはないからです。
「借金は怖いものだぞ」という教育は当然必要ですが、「収入を増やすことは守りになる」という教育も大切です。
借金の怖さと付加価値の高い仕事についての探求学習。小学生の自由研究のテーマにいかがでしょうか。
(遠藤)
[遠藤 功二氏 プロフィール]
日本FP協会認定CFP
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
MBA(経営学修士)
大学時代に借金に追われた経験からFPの資格を取得し、金融機関に就職。
証券会社と外資系銀行で延べ1,000人以上の顧客を資産運用アドバイザーとして担当した経験上、日本には金融教育が足りていないことを確信する。
自己責任が求められる社会で、子供たちが自立して生きていけるよう、お金の教育講座を実施している。子育て世代の親たちと子供たちに、金融の知識を届けるため教育特化のFPとして奔走中。
子育て世代のための金融教育サービスFP君
web:https://fpkun.com
メッセージ:koji.endo@fpkun.com
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