Love feat.Small Circle of Friends制作ノート
OLD Jr.「HAPPY SAD」から今回は、Small Circle of Friendsと共作した「Love」についての話。
Small Circle of Friendsのこと
僕は高校生の頃に買った「CIRCLE」というアルバムでSmall Circle of Friendsを好きになった。福岡の天神にあったHMVの試聴機で初めて聴いたシーンまで、鮮明に覚えている。かせきさいだぁのインストアライブを見に行った日だった(懐)
ちょっと背伸びして、ファッションやDJカルチャーに憧れを抱いていた、高校生の僕にとって、地元福岡のアーティストでSmall Circle of Friends(スモサ)は特別な存在だった。
大学生の時、初めてライブを見に行った。
2005年にスモサの10周年記念イベント「SCOF 10TH ANNIVERSARY『NOW,AND THEN…』」で初めて共演させてもらった。
スモサのライブでサツキさんが「アナ〜」って呼んでくれてステージに上げてくれた。
ちなみに、このライブの一週間後にアナのデビューアルバム「CYPRESS」が発売になるから、ほんとデビュー直前。
それから上京してからは、クラブで会ったり、ライブに遊びに行ったりするようになったりした。リキさんがご飯に誘ってくれたこともあった。
アナの「イメージと出来事」をリリースした時にはレコ発ライブに出演してもらった。
2017年には初めてスモサとアナで2マンライブもやった。
割とマイペースに活動してきたので、高校生の頃に憧れたアーティストとちゃんと制作をできることはあまりなく、今回本当に嬉しかった。
そして、ずっと、ちゃんと憧れの存在でいてくれるスモサを尊敬している。コンスタントにアルバムを出してくれて、最新作が常に一番かっこいい。
二人と話す時、今でも僕はちゃんと緊張する。
この歌詞の“君”は猫ですか?
この曲の制作で忘れられない出来事がある。
それは、Small Circle of Friends(スモサ)のリキさんにデモを送ったときのやりとり。
「この歌詞の“君”は猫ですか?恋人とか具体的な人ですか?」というメールが送られてきた。
このメールが来た時に、僕が悲しみの果てのような場所で書いてた歌も、人から見たら「猫」の歌に聞こえるのかと思って、なんだかすごく気持ちが楽になった。
そして、ちょっとだけ抜け出せた。
リキさんには、一応、歌詞のキミは「恋人」で、厳密にいうと「元恋人」であること。連絡したり、会話したり、会ったりしてないけど、毎日ちょっと想ってる。ご飯食べたり、服着たりするように生活の一部として思い出すみたいなことを、赤裸々に伝えたと思う。
でも、「猫」と思って書いてくれてもいいし、コラボの面白いとこでもあるのでお任せしますとも伝えた。
最終的に、リキさんから送られてきたラップのバースは、「今は別々の二人」のことを描いたリリックになっていた。だけど、やっぱり僕とはちょっと違った温度で書かれていて、それは僕にとっては憧れのミュージシャンからもらった励ましの言葉のようでもあった。
僕の記憶に残っているのは、「右左背中越しのバイバイ」なんてクールな去り際とは程遠いし、「とくに何も未練はない」なんて絶対に、一人では歌えなかったと思う。