「心を込めて書くことが大切です」2匹が声を揃えて言います。 「追い出されてしまった場所へまた行くなんて正直不安だ。」ゴロ蔵は更に不安げな顔をします。「では、僕とにゃん吉で一緒にお店へ付き添います。僕達は、お買い物があるのでゴロ蔵さんの絵が完成した頃にお迎えに行きますよ。」 「本当か。それなら心強い。これから紙とペンを買いに行くから2時間後にここで待ち合わせをしよう。ねこっ汰君、にゃん吉君ありがとう。少し勇気が湧いてきた。」 ゴロ蔵が二匹を見つめながらお礼を言います。 「いえ。
「絵を書くだと。」にゃん吉の提案を聞いたゴロ蔵が少し明るい声で答えます。 「絵だったら得意だ。それなら書けるかもしれない。しかし、本当に受けっとってくれるだろうか?」前向きになりつつあったゴロ蔵は自分の発した言葉で落ち込みつつあります。 森の中でゆったり暮らしているにゃん吉とねこっ汰は、ゴロ蔵の起伏ある感情の動きについていけません。しかし、勇気を振り絞った2匹はめげずにゴロ蔵を励まします。
「手紙は、苦手だ‥。字が上手くない。」ゴロ蔵はぶっきらぼうに答えます。 するとにゃん吉が「絵を書いたらどうでしょう?」ゴロ蔵へ提案します。
「実は、僕自身が前にねこっ汰へお手紙を書いたんです。彼が僕にとても美味しいチョコチップクッキーを作ってくれたことがありました。その場でお礼を言ったんですが、クッキーがあまりに美味しくて感動したので、改めてお礼の手紙を書きました。書く前は変に思われたらどうしよう?とか喜んでもらえるか不安でした。けれど、手紙を書いてみるとねこっ汰への感謝の気持ちが自然湧き出てきたんです
今まで黙っていたにゃん吉が「ゴロ蔵さん。この案は僕の実体験を元にしているんです。」と話し始めます。「実体験を元にしているとはどういうことだ?」ゴロ蔵が率直な疑問を口にします。
「お店の方達に感謝のお手紙を書いてはどうでしょう?ゴロ蔵さんの気持ちが伝わると思います。」 「手紙?そんなの書く気になれない。なんで傷つけられた私が手紙なんて書かないといけない?むしろ謝罪をしてほしいくらいだ。」ゴロ蔵はこの提案に不服そうです。
ゴリラさんは自分よりも遥かに小さな猫達を見下ろし「まず、私の名前はゴリラさんではなくゴロ蔵だ。さっき君達は私の話しを聞いてくれると言ったが本当か?」ゴロ蔵は大きな体格に似合う太く響きのある声で、二匹に聞きます。にゃん吉とねこっ汰は自分達の声がゴロ蔵に届いたことにビックリです。 「僕は、にゃん吉です。隣の彼は親友のねこっ汰です。」「にゃん吉とねこっ汰か。わざわざ道路に座り込んでる私に話しかけるなんて怖い物知らずな猫達だ。私の話しを聞いてくれると言ったな。」ここでゴロ蔵は言葉
「すみません。そこを通してもらえませんか?」「すみません。通して下さい。」二匹が交互に頼みます。 ゴリラさんは聞こえないのか下を向いたままです。もう一度大きな声で「すみません。そこを通して下さい。」にゃん吉とねこっ汰が同時に声を張り上げます。するとゴリラさんは首を上げキョロキョロ辺りを見回します。二匹が小さくて視界に入ってないようです。「すみません。」また声がしたので声のした方向に目を向けると二匹の小さな猫達が自分を見上げています。 「何かな?」ぶっきらぼうに答えるゴリラ
先ずは、お鍋でお湯を沸かし、その間に食パンをトースターで焼きます。お湯が沸いたらウィンナーをお鍋に入れてボイルします。ウィンナーを茹でている間に目玉焼きを作ります。フライパンにオリーブオイルを挽き卵を二つ割り入れます。にゃん吉もねこっ汰も半熟の目玉焼きが大好きです。最後にレタスとトマトをカットして、お皿に綺麗に盛り付けたらにゃん吉の簡単ブレックファーストの出来上がりです。 「よし、完成だ。ねこっ汰朝食にしよう。」机にお皿を並べて一緒に「いただきます。」 ねこっ汰が一口ト
「にゃん吉のおかげで気分が明るくなったよ。街で色々な物や景色を見たいって思ってたのに街に呑まれかけちゃった。」 「気分が良くなって安心。あと一つ道路を渡れば食材のある所までもう少し。」ねこっ汰の気分が良くなったののと目的地までの焦りでにゃん吉が小走りで走り出すと「にゃん吉。あれ?」ねこっ汰が後ろから声をかけます 二匹がこれから渡ろうとしている道路からどんどん動物さん達が引き返してきます。 少し立ち止まって道路の様子を伺っていると、道路の真ん中にゴリラさんが座りこんで他
街には音楽が流れ車や動物さん達でいっぱいです。「ねこっ汰、街には色んな物が溢れているね。ん?どうしたの?」ねこっ汰の様子が変なのです。急に立ち止まってしまい、下を向いています。にゃん吉が心配そうに尋ねます。「僕は本を日常的に読むでしょ。活字があると目で追うクセがあるんだ。街は活字で溢れているから目が回ってしまうんだ。」下を向いたまま歩きながらねこっ汰は困ったように答えます。 「活字をたくさん読むねこっ汰は凄いね。僕に出来ないことだよ。だったら目に映る活字を順番に読むゲームを
出口を通過し、しばらく森の中を歩くと見慣れた景色が開け、目の前にはは大きな建物、車、おしゃれな動物さん達でいっぱいです。森の中で暮らしているにゃん吉とねこっ汰は、ちょっぴりドキドキしつつ道路を渡ろうとします。プップー凄い勢いで車が通り抜けていきました。「危なかったね。安全第一で行こう」ねこっ汰が通り過ぎた車の後を見ながらにゃん吉に話します。「うん。車なんて森にないからね。びっくりした。お店までは道路を二回渡って左に曲がるとお店があるんだけど、地図がよく分かんないだ。」地図を読
#市川團十郎白猿 博多座での「暫」。博多座では初の出し。 観劇した日は、團十郎さんが呼吸すらままならない程の体調だった。そんなことはつゆほど知らずに観劇。いつも以上に迫力があり、命懸けで演じてる感じがあった。 本当に命懸けて演じてたことを後で知った。 プロの本気と信念がある人間の生き様を肌を感じれた。本気で何かと向き合う人は言葉ではなく、姿や姿勢で周りに語らせる。 市川團十郎白猿さんは凄い。そしてプロ根性の塊。 #市川團十郎白猿#成田屋#プロ#推し
#十月大歌舞伎 歴史が変わる瞬間に生きていると思う。女性が歌舞伎座の舞台に立つ。 次の世代の為にもなる取り組み、心から応援したい。
鳥がさえずり、緑豊かな森の中。 東の空から陽が昇り今日も1日が始まります。 朝の光りで目が覚めたにゃん吉。まぶしくて寝てられないので、朝食を作ることにします。 「さて、朝食どうしよう?パンにしようかな?」 ピンポーン!こんな朝早くからどなたかな? にゃん吉はいそいそ玄関へ向かいます。 「おはよう。にゃん吉」親友のねこっ汰がやって来ました。 「おはようねこっ汰。こんな朝早くからどうしたの?まだお日様が昇り始めたばかりだよ。」 「僕は今日から朝活を始めたの。散歩をして良い1