IPA未踏に採択された初日の驚き
初めまして。
少し前に自身の提案がIPAが実施する2023年度未踏IT人材発掘・育成事業に採択されました。
今回はそれについて少し書きます。
※この情報は公開情報と自身の経験に基づいて書かれています。
この記事の目的
自身が採択されたエスプレッソの取り組みについて知ってもらうこと。
この情報がこれから未踏に申し込む後輩、ハード系プロジェクトをやろうとしている後輩の助けになること。
本題
そもそも未踏とは
未踏とは経済産業省管轄の情報処理推進機構(以下IPA)が実施するもので、今回の未踏IT人材発掘・育成事業の他にもより高度な
未踏アドバンスト事業
未踏ターゲット事業
などがあります。
未踏ITに申し込んだきっかけ
自分が未踏を認知したのは以下のツイートがきっかけでした。
いつかはこのようなものでものづくりがしたいなと考えていましたが、何をするかまでは決めていませんでした。
エスプレッソマシンの改造
今回申し込んだのはエスプレッソマシンの改造というテーマです。
高校の頃に飲んだエスプレッソの甘さと香り高さが忘れられず、自分で色々なマシンを購入して毎日飲んでいました。
そして大学に入ってからwebの情報を頼りにエスプレッソマシンを改造するようになりました。
※魔改造ではありません。
※世の中にはエスプレッソ沼というものが存在します。
今の願望…もっと美味しいエスプレッソを楽に作りたい
これからどのような改造をするかは成果が出てから説明するとして…
採択されるまでにしていたこと
①毎日自宅でエスプレッソを作っており、複数台マシンを買い替えていたのでエスプレッソについてかなり詳しくなりました。
さすがに数十年の経験があるベテランバリスタには敵いませんが。
②大学でプレゼンする機会があり、その時に知り合った大学の食に関する学部の教授の研究室で業務用エスプレッソマシンを触らせていただいたり…
③エスプレッソマシンの改造
美味しいエスプレッソを目指して軽く改造していたり…。
改造なので自己責任で分解するのですが、分解したおかげでマシンの内部構造がよくわかりました。
※100Vの製品なので改造にはかなり気を使います。
未踏二次審査
一次審査はPMからのメッセージを読み込んで書くことが募集時の公式書類で推奨されているので、しっかりと読み込みました。
一次審査である書類審査通過後に二次審査として10分ほどのスライドを用いた発表を行います。
実はこの準備のためにかなり時間をかけました。(18時間ほど。)
誰が聞いても理解できるようにわかりやすいスライドにしなければいけないし、自分の情熱も感じてほしいですし、エスプレッソに興味を持ったきっかけや自分が目指す世界も知ってほしい。
競合製品もまとめて、ではなぜ今それが行われていないのかの自分なりの仮説もまとめました。
以下は二次審査のために読み込んだ資料や先人からの贈り物の例になります。未踏事業は2000年から行われているのでたくさん資料があります。
資料を作り、記事を読み、足りない視点を補うということを繰り返した結果、約18時間(3日ほど)かかりました。
※情報を公開してくださった方々には感謝の念しかないです。
資料の改善
PMの先生方がPMからのメッセージ内で審査基準を載せていただいています。
それを読み込み、自分が落ちるとしたらどういう理由で落ちるのかをリストアップし、今後の行動計画に反映させました。
以下はプレゼン資料を作るときに追加で考えた視点になります。
文章量が少なくないか
未踏に採択されずともできることがあったのではないか
実施内容の具体的な中身は細かい部分まで詰められているか
先行事例・先行研究は調査できているか
技術力は十分か
プロトタイプはあるか
そのアイデアは素晴らしいにも関わらずなぜ取り組まれていないのか
納得感があるか
過去自分にどのような経験があり、それがどう影響しているか
これから人生を通して何をしたいのか
本題
プレゼンがうまくいき、無事に採択されました。
しかし、審査期間中に同時に採択されない可能性についても考えていました。
技術力不足、プロトタイプ不足、情熱があるのになぜ既にそれが実現できていないのか等の理由で採択されない可能性です。これは過去の自分の取り組みに対する反省でもあります。
さて、前置きが長くなりましたが、本題に入ります。
タイトルは「IPA未踏に採択された初日の驚き」です。
公募概要にもある通り、結果が通知された後に説明会があります。
東京に出向き、そこで高校の同級生と説明会で遭遇するのですが、、、
その方に連れて行ってもらった学生のコミュニティとなっているバーで化学のバックグラウンドがある大学院生と出会い、エスプレッソの化学的な議論を数時間しました。その結果として、なぜエスプレッソが美味しくなるのかを論理的に理解でき、点と点がつながった感覚(Connecting the dots)がありました。これが、未踏稼働日初日の驚きです。大変驚きました。
やはり東京には色々なものが集積しており、密度が濃い分、出会いの質も高く、コミュニティも強くなるんだということを実感した次第です。(あとは自分の取り組み次第。)これからも定期的に東京に来ようと思います。
終わりに
ここまで読んでいただきありがとうございました。
前半ではこれから未踏に申し込む人に向けての情報を書きました。
後半では「IPA未踏に採択された初日の驚き」について書きました。
人々 ← 「後半の部分ってあなたの感想ですよね?」
僕 ← 「そうです…」
人々 ← 「スタートラインに立っただけですよね?」
僕 ← 「そうです…」