書活361日目*下一桁「9」の年齢ソワソワ症候群。
「もうすぐ30になっちゃう〜」と言ったのは、私とは半年程度遅い入社、もうこりゃほぼ同期の営業の女性。今月で29才になるそうです。
私なんて荒い四捨五入したら50よ〜という言葉を飲み込んで「ふむふむ」「ニマニマ」してしまいました。
一桁台が「9」になると妙に焦るのってなんでしょうね。中身は特に変わりはしないけれど、やはり20代と30代の間には大きな溝があるし、30代と40代にはもっと大きな、まさに深淵のようです。
一年間は変わらないというのに…二桁の変化は胸にズキっとくるものがあります。一桁代、10代、20代、30代、40代と4回の年代変更を体験してきたにも関わらず、50代が刻一刻と迫ってくると気づいてから一体何をしたらいいのかと微妙に焦っている自分がいるのです。
例えば、我が家は一人っ子なのですが、兄弟が必要だったのか?と誰にも言えない気持ちが湧き出てきたり、どこかのタイミングで社会的地位を意識すべきだったのかと感じたりと、今更なことに着目してしまうのです。
30代はまだ、このどちらもどうこう出来たかもしれません。40代も1年や2年程度ならばまた違ったことがあったかもしれない。後悔なのかと言われればもう少し違うような、私が選んだこの人生はある程度は満足しています。
ただ、どう足掻いても出来ていたことが、機能的に出来なくなるとか、コントロールの出来ない何かが訪れるのだと思うのです。
それは思春期で経験した体と心の変化と似ているでしょう。思春期の彼らは戸惑って苛立って、それでも来る未来を夢見て花芽を懸命に伸ばしているようです。
では私は、となればすでに身体は熟しきりその実を落とすために最後の力を振り絞っているのか、重力に抗おうとしてあるのか、刻一刻と迫る50代をどう過ごせばいいのかと馳せているわけです。
過ぎた年代について「もう…◯代だから」という気持ちは痛いほどわかります。私から見れば遥かに若いけれど、未知の世界への扉を開こうとしてる彼らの戸惑いは計り知れません。
だって後数年で50代になる私も、その場でクルクルと回って「どうしよう、どうしよう」とだけ繰り返しているのです。
ここまでとめどもなく書きましたが、要するに年下の一桁「9」の彼らに私はなんと言ったらいいのか?という疑問を投げかけてみました。
こればかりは、変なアドバイスも応援も慰めだっていらないでしょ?「まだ若いわよ〜」が定番かもしれませんが、年代が変わるってそれこそ大イベントなわけじゃないですか!!
「ようこそ!」も違うし、「おめでとう」だって違うと思うのでやっぱり「ふむふむ」「ニマニマ」するしかなかったという話です。
そういえば、29才と聞くたびに私はいつも「29歳のクリスマス」というドラマを思い出します。ドラマ放送当時の私は14才で高校生だった気がします。山口智子さん、松下由樹さん、柳葉敏郎さんらが演じる男女3人の友情とそれぞれの恋愛模様を描いていました。29才という年齢がとにかく大人で、そんなに奔放なのか!?と思ったのと最終回は全私が総ツッコミしたという強烈なドラマです。まあ、実際は29才なんてあっという間にやってきて何事もなく速攻で過ぎましたけれど…。