AIが書いた小説『スカイフック』第9話 軍隊の本質
「命中」
射手が思わず叫んだ。
他の班員からも、上げて飛び上がらんばかりの歓声が上がった。
米田上等兵だけが表情を変えずに、また手帳に何やら書き込んでいる。口をぎゅっと締め、首を傾げ納得のいかない様子であった。
尾翼を鶏の鶏冠のように歪になったB29は、あろうことか狂った老牛のように尻を振りながら糞をするように、爆弾を投下し始めた。
こちらに向かってくると思えば、遠く東山の方へ向かい、その間にも爆弾を撒き散らす。東山には米田上等兵が勤務していた高校があった。付近にも、生徒達の家がたくさんあったはずだ。
米田上等兵は後悔した。自分はミスを犯したと反省していた。
計算通りに発射していれば、間違いなく敵機の水平尾翼だけに命中していたはず。それなのに、弾薬格納扉が開いていたのを見て、咄嗟に修正を加えてしまった。
だから垂直尾翼だけでなく、水平尾翼まで、破壊してしまった。尾翼の機能を失った飛行機は、瞬く間に墜落する。
どのような優秀な人間も、このようなミスを犯す。人間は、それを仕方がないと片付ける。失敗を根源から認めないから、同じミスを繰り返すのだ。
大空をのたうち回る龍のように舞う傷ついたB29は、最後には力尽きたのか機首を真っ逆さまにして地上に堕ちてきた。墜ちる寸前に最後の力を振り絞って、首を持ち上げた。その機首の先が、こちら方を向き、向かってくるかと思った瞬間に、火花を撒き散らしながら墜落した。それは、ここから差程離れていない御器所町あたりなのだろう。
いつの間にか、側に上官の加藤分隊長が来ていた。
「申し訳ありませんでした」
米田上等兵は、咄嗟に謝罪した。
意に反して、加藤分隊長は笑顔で、
「お見事、米田班長、良くやった」
他の班長にも聞こえるように、大きな声で返した。
所詮人間とは、その程度のものです。
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