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【地域おこし協力隊サポーターズ鹿児島 メンバー紹介:下麦大志】

『地域おこし協力隊サポーターズ鹿児島』(以下:サポーターズ)について知ってもらうにあたり、メンバーや活動紹介を毎月行っています。地域おこし協力隊(以下:協力隊)や行政職員の皆さんへメンバーの想いを届けることで、顔が見えるようになり、少しでも相談しやすい体制ができたらと思います。

第5弾の記事はこちら

今回は『さつま町役場の下麦大志氏の想い(第1〜3章)について紹介していきます。

「地元で温度感のある仕事を」

下麦:就職活動時期に、公務員にはまちに関わるたくさんの仕事があり、それを地元のさつま町でできるのは面白いと感じ、今の職場である「さつま町役場(当時は、宮之城町役場)」を受験しました。

様々な部署に配属されましたが、大きなターイングポイントは鹿児島県大阪事務所へ2年間出向したことでした。

鹿児島県をPRするお仕事をさせていただいたのですが、県外の方々に鹿児島県をどのようにPRしていくかという視点は、さつま町に対しても置き換えて考えることができたので、まちの魅力を改めて見直す機会になりました。

町役場に入庁してから、まちや仕事を通して出会った皆さんのおかげで、人としても行政職員としても成長させてもらいました。

さつま町役場 下麦大志

下麦:最近だと『さつま町エール便』という事業に携わっています。背景として、新型コロナウイルスの影響でまちの地域経済のダメージが徐々に出始めていたことが挙げられます。

そこで各事業者の皆さんに色々話を聞いて回りました。「納品予定だった商品の多くが在庫になってしまった」等の声があり、試行錯誤した結果、ふるさと納税返礼品の考え方を参考に、在庫となった商品を全国から募集したモニターの方々に食べて楽しんでもらえる仕組みを考えたんです。

すると町内の事業者の皆さんから「困った時に本当助かった」等と感謝の言葉をいただき、逆に私がエールをもらいました。「もっと頑張らないといけない」って。その後も様々な形で温度感のあるエールが広がっていきました。

さつま町HPより さつま町エール便について(令和4年10月時点)

行政だけでは解決できないことを地域の人と一緒に

下麦:協力隊の受入をする際に「どうやったら、さつま町に来てもらえるのか?」「そのためには何が必要か?」「一緒に何ができるか?」等をある程度考える必要があると思っています。

それは、何度か協力隊の受入を経験し、色々試行錯誤してきたからこそ、そう感じるようになりました。

そこで、地域の課題を解決していくために行政の中だけで考えるのではなく、地域の皆さんも一緒に仲間として考えていく必要があると思ったんです。

今年度から協力隊の制度を活用し“地域プロジェクトディレクター”という人材を採用することにしました。

その上で、地域の事業者さんにヒアリングや想いの共有等を行って、『薩摩のさつま』(※)といったプロジェクトを官民一緒になって取り組んでいくことにしたんです。

下麦:地域課題を解決するためには今までやり方を変えていかないといけないですし、行政だけでは解決できないこともたくさんあります。

それを、地域の皆さんに協力隊やプロジェクトに関わっていただくことで、他人事ではなく自分事に変わるのではないかと考えました。

地域プロジェクトディレクターとして青嵜直樹さんを採用して3ヶ月経ちますが、それまでのアプローチがよかったのか、地域との距離感もグッと縮まっています。私自身も、大分気持ちが軽くなりました。

例えば、自転車の重いギアを一人で漕ぐのは難しいですが、青嵜さんが加わったことで前に進みやすくなったような、そんなイメージでしょうか。

まだまだ始まったばかりなので「受け入れてどうだったか?どれだけ前に進んだか?」が、これから問われてきます。引き続き、官民一体となって、共創していけたらと思います。

写真提供 薩摩のさつま 『薩摩のさつま』ブランド発表会の様子

“イチ町民として“できること

下麦:行政職員の性質上、どうしても異動はつきものです。そのため、「担当職員が変わったらどうなるのか?」問題が生じてくるので、関われる範囲やできることも大幅に変わってきます。

でも、今回の地域プロジェクトディレクターの件は、地域の皆さんの協力を得てプロジェクトが進んでいます。だからこそ、“イチ町民として”できること・関われることは続けていこうと思っています。

そこが「あるか・ないか」だけでも全然違いますし、そういう形で関わる人が増えていけば、協力隊も地域の皆さんも取り組みやすくなるのではないかと思うんです。

それでも対応できない部分はサポーターズや他のエリアの仲間に相談するのも1つの手段ですよね。

下麦:協力隊との関わり方って、その方の性格や能力等、それぞれなので寄り添ったり背中を押したりするバランスが非常に難しいです。

だからまずは「どんな人であるか?」というのをコミュニケーションとりながら見極めていく必要があるのかなと思います。

日本各地に色々な地域がある中で、さつま町を選んでくださっているので、気持ちよく、力が発揮できる雰囲気や環境をつくっていけるように、隣の席から頻繁にやりとりをしているところです。

最近だと、地域から「○○で困っているのだけど、手伝ってもらえませんか?」と相談がくるようになりました。採用してまだ3ヶ月ですが、青嵜さんの人柄や、このわずかな期間で彼がつくった信頼が大きいんだと思います。

小さなことかもしれませんが、協力隊の皆さんが今後の活動がしやすいように、“イチ町民として”引き続きコミュニケーションはマメにとっていきたいです。

今年7月から着任したさつま町地域プロジェクトディレクター・青嵜直樹さん(写真右)と

(※)『支え合う・褒め合う』をチームの理念として掲げ、まちを盛り上げるために日々活動している。1つでも支え合い褒め合うことで、どんどん輪が広がっていき、1つのまちのブランド力を上げていくことを目指している。

(終わり)

・話し手:下麦大志
さつま町 商工観光PR課 観光PR係 主査
2003年4月に旧・宮之城町役場に入庁。2013年から2年間、鹿児島県大阪事務所に研修生として派遣。観光物産振興に関する分野や関西かごしまファンデーなど関西での鹿児島愛を肌で感じ、さつま町役場に戻る。現在は、商工観光PR課において、褒め合い・支え合い・地域愛を大切にした「薩摩のさつま」ブランドの事務局として、若手事業者有志や2022年7月に着任した地域プロジェクトディレクター(協力隊制度活用)と一緒に挑戦中。

・取材・執筆・撮影:上泰寿(編集者)

【お問い合わせ先】
地域おこし協力隊サポーターズ鹿児島事務局
お問い合わせフォーム:https://forms.gle/D3JN2SyiEWkyk68D6
メールアドレス:okosapo.kagoshima@gmail.com

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