【地域おこし協力隊サポーターズ鹿児島 メンバー紹介:村上裕希】
『地域おこし協力隊サポーターズ鹿児島』(以下:サポーターズ)について知ってもらうにあたり、メンバーや活動紹介を毎月行っています。地域おこし協力隊(以下:協力隊)や行政職員の皆さんへメンバーの想いを届けることで、顔が見えるようになり、少しでも相談しやすい体制ができたらと思います。
第6弾の記事はこちら。
今回は『一般社団法人E’more 秋名』・代表理事・村上裕希さん(龍郷町地域おこし協力隊OB)の想い(第1〜3章)について紹介していきます。
島の人と近い距離感で
村上:僕は奈良の生まれですが、父の転勤で引っ越しをしてからは横浜で30年程暮らしていました。15年前に奄美大島へ旅行に行く機会があり、現地の皆さんの温かみのある接し方に心魅かれ、そこから何回も通うようになりました。
奄美大島へ行くたびに同じような感覚を覚え、次第に暮らしに対する視点が変化し “奄美大島で暮らす”選択を考えるようになったんです。その時期にSNSで龍郷町の地域おこし協力隊募集の記事を発見しました。
協力隊になることで、島(地元)の人と近い距離感で仕事ができますし、知り合いも増やすことができるのではないか。そういった意味で生活の基盤を作るためにベストなのではないか。直感的にそのように感じ、応募することにしたんです。
村上:最初の1年目は役場に席を置かず、集落に常駐しながらミッションをこなしていく形式でした。当時、龍郷町として初めて協力隊を採用だったのですが、地域の皆さんはそんな私を受け入れてくれました。
集まりがあれば声をかけ、島に来て間もない僕を色々と気にかけてくれまして…。
僕はミッションを進めていく上で「秋名集落をどう盛り上げていくか」「それは一人でできるものではない」「地域の皆さんの力を借りながら自分の力を最大限活かすのはどうしたらいいか?」と常に考えていたので、そういう環境で仕事ができていたことに救われていたと思います。
ただ、そんな環境でも、協力隊の受け入れ第1号だったからこその課題も浮き彫りになってきました。
同じ仲間として耳を傾けてくれる役場の存在
村上:課題だった点の1つとして、役場とのコミュニケーションがうまくとれなかったことでした。僕は年度途中の採用だったこともあり、役場として受入体制が万全ではなかったからかもしれません。
それで気落ちすることもありましたが「せっかく協力隊として活動させてもらっているのだから、できることをやろう」と思い、藁をもすがる想いで必死に活動を続けました。
その活動や僕の状況を見ていてくれていたのか、翌年度になると役場へ来た時に座れる席をいただき、コミュニケーションが小まめにとれるようになりました。
同じ職場の職員として・仲間として迎え、関わり耳を傾けてくれるようになった。そんな感覚でした。そこから、それまで仕込んでいた企画が具体的に進められるようになります。
村上:ありがたいことに協力隊の採用計画や伴走支援に関わる機会をいただきました。本当に良かったなと思うのは、管理職の方や担当の方が一生懸命耳を傾けてくれたことでした。
初めてのケースだらけで正直わからないことも多かったと思います。それでも、わからないなりに色々調べて、僕ら協力隊のことをすごい気にしながら関わってくださった印象が強いです。
そのおかげで地域のアイデアを形にできましたし、受け入れる体制も少しずつ整っていきました。3年間の経験を通して、協力隊として役場にどんなアプローチをすればいいのか。逆に、受け入れる役場はどんな姿勢で迎えればいいのか。それらを身を以て感じることができました。
まずは積極的に繋がることから
村上:協力隊時代は奄美大島を拠点に活動していたので、本土の方々との接点もですし、届く情報も少なかったです。僕自身、任期が終える頃ぐらいから本土の皆さんとの接点が増えてきました。
まだサポーターズメンバーとして具体的な活動はできていませんが、少しでも情報や色々な人との接点づくりを増やすハブとなる点ではお役に立てるのではないかと思っています。
最近だと協力隊(OBOG含め)の横の繋がりをどのようにうまく活かしていくかについて行政の方と会話させていただく機会もあります。
本土と離島だと文化や地域性も違うので、奄美大島の協力隊の現状や課題をお伝えして、違う視点で協力隊のことを知っていただくことも僕の1つの役割かもしれませんね。
村上:「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」という言葉がありますよね。この言葉って色々な物事にも共通すると思っていて。
サポーターズ自体が小さなことでも聞ける存在なので、積極的にアプローチすることが大事だと思います。考えがまとまっていなかろうが、悩みが小さかろうが、相談じゃなくても会話する感覚で連絡してほしいです。
それがきっかけで何かしらヒントになるかもしれないですし、人との繋がりが広がるかもしれない。僕も悩んでいた時に、小さな兆しが見えたきっかけは繋がりやそこから生まれた出会いでした。
サポーターズメンバーもそれぞれの地域で課題や壁にぶつかっています。そんなメンバーと軽く話をするだけでも、繋がるだけでも、思わぬ方向へ転がるかもしれません。地域の皆さんに対するアプローチも含め、まずは積極的に色々な人と繋がっていきましょう。
(終わり)
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