空き家活用を軸に、これからの暮らしをつくる-南さつま市地域おこし協力隊募集 後編-
南さつま市では坊津地域の2地区(清原・久志)にて地域おこし協力隊(以下:協力隊)を2名(各1名)募集します。
後編記事は久志地区の紹介です。
『久志校区元気づくり委員会』のメンバーとして活動されている楮畑武さん、藤井泉さんにお話を伺いました。
<受入地域について:久志校区元気づくり委員会>
南さつま市では小学校単位で構成されるコミュニティ組織として元気づくり委員会があります。地域住民視点から、様々なコミュニティ活動を行っており、久志でもその1つが活動しているところです。
例えば、久志の海や川を使って子供たちに体験イベントや自然を楽しむウォーキング体験を企画される等、勢力的にまちづくりを実践されています。
久志地区の協力隊に着任した場合、元気づくり委員会のサポートのもと、地域の皆さんとコミュニケーションをとりながら関係性を深めていただけたらと思います。役員の皆さんの印象として、地域の次世代を想う心、そして、それに対して実際にアクションされる方が多いイメージを受けました。そんな頼れる方々が身近にいらっしゃる環境で3年間活動していただきます。
<インタビュー・久志校区元気づくり委員会 会長 楮畑武さん>
久志で広がる日常の風景を継承していきたい
Q)久志で生まれ育った?
楮畑:私は久志で生まれ育ち、高校卒業後は県外の郵便局に就職しました。30歳で鹿児島に戻ってからは、県内の転勤もありましたが、久志の地域活動に携わっていました。その当時、久志の人口は全体で1200~1300人でした。若い人も多くて、PTA会長時代に運動会をした際は400人以上集まったものです。注文したお弁当が足りなかったのを今でも覚えています。
(Q)久志の魅力は?
楮畑:自然の豊かさ、それに尽きると思います。久志には綺麗な海や山があって、それに魅かれて移住する人たちもいれば、Uターンしてくる人たちもいます。私は趣味でミカンやポンカンを作っているんですよ。この土地で暮らし楽しみの1つで、畑を使える場所はまだまだあります。そこを使って、私みたいに趣味でもいいし、生業のために農業をするのも1つ選択肢かもしれません。
(Q)久志ではどんな活動を?
楮畑:『久志校区元気づくり委員会』の会長をしています。だからといって偉いとかどうではなく、地域の皆さんが一生懸命活動されていることに対して、周りの人に「お願いします」と声かけをしながら、皆さんが動きやすいようにサポートしています。例えば、草刈り。去年は多いときは60人集まってくれました。終わった後に皆でお茶飲んで話しながら「元気だった?」と過ごす時間が好きです。そんな風景を継承していきたいと思っています。
協力隊の想いに耳を傾け、一緒に動いていく
(Q)久志の課題は?
楮畑:日本全国どこも同じだと思いますが、久志も過疎化問題が加速していまして…。自然の豊かさに魅かれて、久志周辺に別荘を建てる人はいるのですが、実際に移住する方は少ないのが現状です。地域住民の若者の割合も少ないです。これから人を呼び込むために、高齢ではありますが、地域の皆さんが力を合わせて日々動いています。それで今回協力隊の受入地域として手を挙げさせてもらいました。
(Q)協力隊に対してサポートできることは?
楮畑:協力隊の方が活動しやすくなるよう地域の皆さんに声かけをしていく予定です。来られる協力隊の方は想いやビジョンがきっとあるはずです。だから、それらにきちんと耳を傾けていきたい。そうすることで「どうしたら協力隊が活動しやすくなるか?」「私たちがサポートしやすくなるか?」を隊員や地域と一緒になって考えていきたいです。
(Q)協力隊に対してアドバイスは?
楮畑:まずは地域に溶け込んでいくこと。そこからだと思います。高齢者が多い地域なので、年齢差はあるかもしれませんが、皆さん面倒見が本当にいいです。そして、何かしたい気持ちがあれば、ちゃんと私たちに相談すること。心の中に留めていては何もわかりません。「おはようございます」と挨拶をするように、想いを言葉に発してください。そこから、何ができるか一緒に考えていきましょう。
<インタビュー:久志校区元気づくり委員会 藤井泉さん>
地域の人と過ごす楽しい時間
(Q)久志で生まれ育った?
藤井:私は高校と大学時代を除いて、今までずっと久志で暮らしてきました。昨年まで南さつま市役所に勤務していて、教育委員会の時の思い出が今でも心に残っています。地域の運動会などで、私が企画した内容を皆さんが楽しんでいる光景を見て、心の底から嬉しい気持ちになりました。他にも、ずっと柔道にも携わってきていますが、子どもたちが活躍する話を聞くのも1つの楽しみですね。
(Q)久志の魅力は?
藤井:何と言っても豊かな自然です。特に美味しい海の幸は最高です。地域の漁師さんにおすそ分けをしてもらって、首折れサバをいただいたりしますし、私自身も釣りが好きで、よく海に行きます。あと、サンセットも素敵です。その風景を撮影するために多くのカメラマンが集まります。それに因んで、子供たちの部活の大会では“燃えろ夕日のごとく”の横断幕を掲げて応援していました。
(Q)久志ではどんなご活動を?
藤井:今年4月から『クロん子わくわくクラブ』を立ち上げました。クロん子とはメジナのことで、メジナのように子供たちが元気に動いて湧くようにと名付けています。地域の皆さんの力を借りながら、果物狩りや釣り、クルージング等を企画し、久志で楽しい時間を過ごせてもらえたらと思っています。それをきっかけに地域で子供たちのはしゃぐ声が聞こえる機会が増えたら嬉しいです。
気負わなくてもいい、失敗したっていい
(Q)久志の課題は?
藤井:挙げるとキリがありませんが、その中でも過疎化や、そこから紐付く様々な産業の後継者不足だと思っています。漁師の方は、もう10人いるかいないかで、しかも、一番若い方でも私より年上になるんです。他には、道路事情や買い物に行くスーパーが近くにない等の問題もあります。良い意味で捉えれば、あまり手をつけられていない場所だからこそ、自然の恵みや何かを挑戦しやすい土壌があるのだと感じています。
(Q)地域おこし協力隊に対してサポートできることは?
藤井:久志には使われていない畑や空き家がたくさんあるので、それらや海などを活用して、自分の特技を活かしてもらえたら、それだけで嬉しいです。気負わなくてもいい、失敗したっていい。辛い時は「一緒に飲もう」「おすそ分け持ってきたよ」と私たちから気軽に声をかけて、楽しいことも悲しいことも共有できたらと思います。元気づくり委員会等、久志には色々組織があるので、それらもどんどん活用してほしいです。
(Q)地域おこし協力隊に対してアドバイスは?
藤井:まずは色々な行事に出向いて、どんどん自分をPRしてほしいです。顔や想いがわからないと何も始まらない。そうすることで一歩踏み出せるのではないでしょうか。また、田舎なので台風等の災害の遭う・虫がたくさんいることも日常です。なので、自然との共生ができるような体力や元気があるといいですよね。それさえあれば、久志での暮らしは居心地良く、楽しい時間になってくると思います。
募集要項はこちら。
インタビュー・撮影・執筆:上 泰寿(編集者)
取材サポート: 南さつま市総合政策課 まちづくり推進係
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南さつま市総合政策課 まちづくり推進係 担当:羽生
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