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【micorai column⑤】私の遺灰指輪

「遺灰指輪」

あまり一般的ではない種類の指輪です。

海外では、mourning(哀悼の意)のジュエリーとして古くから存在していますが、宝飾の歴史が浅い日本ではあまり聞き馴染みがありません。

しかし、仏教の観点から「分骨」の一つと考えると、すっと胸に落ちます。

納骨場所が離れていることや、お墓が遠い、など、なかなか会いに行けないなど、様々な理由から行う分骨は、残された人のためでもあると同時に、「旅立った人」のためでもあるのです。

そして、そんな気持ちに応える遺骨(遺灰)を納める宝飾品があります。

それが「遺灰指輪(遺骨リング)」です。

私は、20年以上、一点物のオーダーメイドジュエリーを制作してきました。

婚約指輪、結婚指輪、ファッション、ハイジュエリーなど様々なアイテムに携わってきましたが、その中で、この遺灰指輪の制作も、多々携わらせていただきました。

大切な家族や愛する人に先立たれてしまい、この遺灰指輪によりどころを求めた特別な宝物。

どのジュエリーも大切な想いと共に、愛する人を納めた世界で一つだけのとてもパーソナルなジュエリーは、作り手の私にとっても特別なアイテムとして記憶に刻まれています。


そして、私は、らい君の死をうけて、らい君の遺灰指輪を、初めて自分のために制作しました。

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らい君の毛色に合わせて、K18YGでベースとなる指輪を作り、指輪の内側に遺灰、そして隣には、お空でも御守りになるようにらい君の誕生石を納めました。

作り手は、お客様に向けて生み出す側。

これまで自分のための指輪は殆ど制作したことがありません。

初めての体験でした。


そして、完成した指輪を身に着けると、まるで私の身体に溶け込んでいくような一体感を感じると同時に、ぽかぽかと温かくも感じました。

それは、深い安心感でした。


四十九日の法要の時に、骨壺を抱きしめて電車に乗ったあの時のように

「ここにいる」

と感じられ、ぎゅっと抱きしめている感覚。


らい君は、

お空にいる。

神様のもとにいる。

のんびりしてほしいよ。

病気のことも忘れて好きなものを食べてほしい。

でも、

「ここにも少しでいいからいてほしい」

勝手なお願いだけれど、毎日指輪をなでながら、そんなことを心の中でつぶやいています。

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Lazola Eterno -永遠絆- micorai
ラソラエテルノ




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