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戯曲『菜ノ獣 –sainokemono–』背景・あらすじ・登場人物
【背景】
今は未来。
人類の生への渇望に後押しされ、その歩みを止めることなく進化し続けてきたバイオテクノロジーはついに、人間に臓器・血液・肉、その他あらゆる部位・器官を提供するための人型生物“ベジタブル・マン”を創り出した。
「限りなく人間に近い植物」と定義される彼らはドナーとして、食料として人類に多大なる恩恵をもたらし、今や人間社会にとって「なくてはならない」そして「あることが当然」の存在となっていた。
しかし、政府指定特別生産区域、通称“ファーム”の中で、彼らがどのように生み出されているのか、ごく一部の人間を除いて、その実態を知る者はなかった。
【ストーリー】
農務局に勤めるミヤタはある日、上司のオオハラにファームへ出向するよう命じられる。ファームに勤めていた局員、カドタマリが失踪したのだという。
事態を内密に調査する為、オオハラが雇った“便利屋”と呼ばれる男、ムラカミと共にファームへやって来たミヤタは、そこで初めて生きたままのベジタブル・マンと対面する。
認識とのギャップに戸惑いつつも調査を進めるミヤタはさらに、ファームで失踪した人間がカドタ一人ではないことを知る。
カドタは自ら失踪したのか、それとも何らかの事件に巻き込まれたのか。
政府の特定機密に指定され、社会と完全に隔離されたもう一つの世界“ファーム”で今、一体何が起こっているのか……。
【登場人物】
ミヤタ 農務局局員。
ムラカミ 裏社会の何でも屋
オオハラ 農務局特別対策室室長。
ゴトウダ ファーム第十二研究所所長。
ザイゼン 生物工学博士。
クボ ザイゼン博士の助手。
研対1 規格からはずれた研究対象のベジタブルマン。男。
研対2 女のベジタブルマン。
研対3 女のベジタブルマン。
研対4 男のベジタブルマン。
看守 優秀なベジタブルマン。男。