おこめ
読んだ本の記録です。
というには恥ずかしい、エッセイ風の記事。
江國さんの小説が大好きなんです、 何というか江國さんの小説は贅沢なんですよね。 贅沢な表現で溢れている、ある種、詞のような小説。 テーマや思いを考えるのではなく、世界を愉しむ小説。 (楽しむ ではなくて 愉しむ。) この『なつのひかり』という小説も、限りなく 美しく豊かな世界を愉しむ小説です。 まず、あらすじを書くのが難しい。 試しに書いて見ると、 「私は途方に暮れた」という表現が本文中に何度も出てくるけど、 あらすじを書こうとする私も途方に暮れる。 そんな小説です。
宮崎駿監督の映画『君たちはどう生きるか』を見に行き、 原作を読んでみたくなったので、今日は原作の感想を 戦時中に書かれた本だけあって、 人間として本当に大切なものは何か ということを問い続けてくれる本でした。 まず、主人公のコペル君は頭がよくで成績は良いのに いたずらっ子でいつも先生に注意されている というのが何とも好感が持てます。 物知りで大人ぶらないおじさんが コペル君のよき理解者となり、導いてくれます。 この2人の関係が「大人と子ども」ではなくて、 「人と人」であ
20年来の友達が、原田マハさんの本にはまっている と言っていて、「『本日は、お日柄もよく』は私の人生のバイブル!!」 とも言っていたので、満を持して読みました。 仕事について考え直していた私にピッタリの小説で 私の人生のバイブルにもなりました。 読み終わって、大きく変わったことは、言葉に対しての認識。 電車に乗っていて、広告のキャッチフレーズとかを ついつい見てしまうし、どんな人がどんな思いを込めて考えたんだろうと コピーライターの人まで想像してしまいます。 そして、
本を読んで感銘を受ければ、受けるほど、 誰かに話したり、どこかに書いたりしたくない私でした。 なので、樺沢先生のインプット大全を以前に読んだ時も アウトプットの方が大事!!!と熱量高く 書かれているのを読んで、ふーん。くらいのテンションでした。 (すみませんでした。) ところが、最近精神疾患を患ってしまい、 (今は回復に向かっています) 自分をアップデートしたいなと思った時に、 ふと読んでみようと思ったのがこの「アウトプット大全」 インプット3割、アウトプット7割が樺沢
青みがかった深い緑、いや、緑がかった深い青かな。装丁が綺麗で読むのをとても楽しみにしていた『星の子』。 娯楽ではなくシュールなので何度か声をあげて笑ってしまった、おもしろく奥深い小説でした。 とても乱暴な紹介をすると、怪しい宗教を信仰している一家のお話。主人公であり、語り手でもある、わたし、林ちひろが病弱だったために、宗教にのめりこんでいった両親から、わたしが旅立っていくっていうお話なのかなと陳腐なスキーマで読んでいましたが、全然違いました。。。 なので最後読み終わって
逆ソクラテス スロウではない 非オプティマス アンスポーツマンライク 逆ワシントン の5つの短編が描かれる『逆ソクラテス』。この題名を振り返ってみただけでも、「逆・ではない・非・アン・逆」という反対や否定を表す言葉が並んでいて、この本を物語っているなあという感じがします。 この本も友人からいただいた本で、確実に自分からは選ばない本でした。伊坂さんといえば、ミステリーや推理小説というイメージがあり、今となっては本当に恥ずかしいですが、読まず嫌いというか、勝手に避けて
久しぶりの投稿になりました。というのも年末年始は夫も家にいたので、一人の時間がほどんどなかったからです。またこの頃、娘が寝返りをするようになったので、しょっちゅう戻してあげないと(自分では戻れない)なので、一日があっという間に過ぎる気がしています。 そんな年末年始のすきま時間で読んだ本の感想を簡単に記録に残しておこうと思います。 ①宮部みゆき『おそろし』 友人にもらった本で、読む前はそんなに好みじゃないかなぁと気が進まなかったのですが、読み始めるとみるみる引き込まれてい
私は今育休中である。最近、某有名フリマサイトで「使わなくなったけれど捨てるのにはもったいないもの」を「手間を考えたら、捨てた方がよくない?」くらいの価格で出品してみることにした。 そしたらなんと一週間足らずで、購入してくれる人が現れた。アディダスのジャージ上下セットだ。 ジャージ上下セットは一体どのような配送方法が無難なのだろう。フリマ初心者の私は商品にあった配送方法を熟知しておらず、簡単に匿名配送で取引できる方法を選択していた。縦20センチ、横25センチ、高さ5センチの
あー好き。読み終わりたくなかった。ずっと読んでいたい。ずっとこの世界を覗いていたい。私は江國さんの小説やエッセイを読むと、「おもしろい」より「気持ちいい」。 もちろんおもしろさもあるんだけど、江國さんの描く世界が好き。私が江國語と勝手に読んでいる、 江國さんならではの言葉の選び方(今回の話に出てきてはないが例えば、「たっぷりしたジャケットに」など。何?その素敵なジャケット!?となる。) 修飾の仕方(今回の小説の適当なページをめくってみると「梅の花の形の小鉢―――ぽってり
11月中旬ごろから、年末大掃除を始めた影響で読書の時間が減っています。ちょびちょび読んでいたら2週間ほどかかってようやく読み終わりました。 舞台はドイツなのかな?作者ヘッセの自伝小説と紹介されていて、年代が少し昔なことと、神学校という場所にも馴染みがなく、少しとっつきにくい印象を持ちながら読み進めましたが、ラストの結末をもって、色々と振り返って考えさせられる小説でした。 主人公はハンス・ギーベンラートという神童として育てられる少年。ハンスに寄り添いながら読むと、もっと自分
一週間ちょっと前に読み終わった本。 この本の感想を述べるために、わざわざ自分と読書について、振り返って書いてみました。 なぜなら、私にとって読書は生活の一部の娯楽で、読書するために読書する気などさらさらなかったのです。「読書するための読書」って本末転倒というか、その本読んでる時点で読書してますやん、って感じでおもしろいなとか思っちゃう。『読書の腕前』なんて、「え??読書に腕前が良いとか悪いとかあるん?」っていうのが読むまでの感じでした。 でもまあ、夫が大学生の時に読んだ
記憶をたどると、物心ついたころから本を読んでいたような気がします。 姉や妹はテレビゲームが好きでよくやっていましたが、私は勝ち負けがあったり、スピードが速いのが嫌だったりで、ゲームがあまり好きではありませんでした。今でもそうなのですが、画面酔い(ゲーム酔い)するのも一因かと思います。なので姉妹とは一緒にゲームをせず、一人本を読んでいました。そのため幼いころから変な子扱いをされていました。(私の知る限り、3姉妹の真ん中は変人と言われがちです。笑) これを読書と言っていいのか
先日、少し夫に対してモヤモヤすることがあった。 夫は土日休みの週休二日で働いており、私は夫と同じ職業だが、現在育児休業中である。私たち夫婦は、孫にメロメロな各実家に甘えて、毎週土日はそれぞれの実家に孫を預けて、夫婦2人でデートをしたり、各々が好きなことをする。 (これに対しても少々思うことはあるが、今回は関係ないので置いといて) この週は日曜日に夫の友だちが我が家に来て、ポケモンカードをするということで、私は自分で「いいよ」と応えておきながら、半分家から追い出されたような
先日、夫とおそろいのパジャマを探しているときに、ポケモンのパンツを見つけた。 私たちは現実はさほどでもないが、丁寧な暮らしを心がけている夫婦なので、ジャージで寝ない。パジャマで寝る。ということを信条にしている。今着ている無印のパジャマがくたびれてきたので、新しいパジャマを探していたのだ。 そこで、ポケモンのパンツを見つけた。カビゴンだった。 夫はここのところポケモンカードにハマっている。ポケモンカードを買い集めては、ファイルに入れたり、並べてみたり、何やらしている。ポケ
大学時代の後輩がSNSに、「この本を読んでエッセイ沼にハマりそう。」なることを書いていたので、それはおもしろそうな本だなということで、たまたま夫が持っていたので借りて読んでみました。 私がこの本の感想を端的に表すなら、 しょーもない。でもそれ以上におもしろい。 に尽きます。男の人の愛すべきおバカな部分が詰まっているような気がして(ウンコと言って喜ぶ、下ネタを言って喜ぶ、などなど)楽しみながら、あっさり読めちゃいました。 星野さんは、頭の中で喋ってることを書くのがうまい
第一章 もう一度、ヨーイドン 第二章 自分史上最高の夏 第三章 金の角持つ子どもたち 『金の角持つ子どもたち』は、サッカーをやめ、最難関中学を受験することに決めた戸田俊介を中心に描かれた物語。第一章は俊介の母親の菜月、第二章は俊介自身、第三章は塾講師の加地の視点で語られています。 この物語の魅力に感じたのは、各章それぞれで、視点となる人物の抱えるしんどさが語られているところ。すごい人間味がある。 誰しも他人からみたその人とは違う自分を持っていると思うんです。昔からわ