子連れで通う、お気に入りのビアバー

タイトルだけで「普通の人」に怒られそう。
なんて思ってしまうのはきっとtwitterのやりすぎね。
タイで子育てしながら日本語のtwitterの世界を覗いてると、「日本にいたら私知らない人にめちゃくちゃ怒られそうやな」という気分になる。

こんなこと言ってる私だってかつてそうだった。
お酒を飲むところに子供を連れてったり夜更かしさせたり、「ダメな親」というイメージだった。
一度だけ、旅行先の沖縄でどうしてもカチャーシーが踊れるお店に行きたくて２歳だった長男を民謡居酒屋に連れて行ったけど、なんとなく後ろめたいような気持ちが拭いきれなかったし、煙草の煙が酷くて長居はできなかった。

それが今やへっちゃらです。

始まりはタイの東北、ノンカイ。
お祭り、移動遊園地や野外コンサート。なーんにもない田舎のそれは、そこに暮らす人々の貴重な楽しみ。
陽射しの強いタイでは子供を遊ばせるのは基本夕方から。だからなのか、何かしらのイベントがあれば夜遅くまで子供が遊んでいる。

子供というのは赤ちゃんもだ。
タイの音楽が爆音でかかる夜のイベント会場で、赤ちゃん(正確には赤ちゃんを抱っこしたお母さんやお父さん)からお年寄りまで一緒くたになって、みんなそれぞれ楽しそうに飲んだり踊ったりしてる。
それに眉をひそめる人など皆無だった。
赤ちゃんを連れて来るんなんて非常識だとか、いい歳して踊ってるとか、そんなことが顔に書いてある人なんてひとりもいないことに、残念ながら私は驚いてしまった。

みんな伸び伸び楽しそう。
すっごく自然に楽しそう。

はて私はどうして以前小さい子を夜連れて歩くのがダメなことだと思ってたんだろうか。
夜更かしはいいことではないだろうけど、連日夜出かけることなんてないし、一体何が問題なんだ？

あれから数年。現在はバンコクに住む私。
最近徒歩圏にあるビアバーがお気に入り。
雰囲気もいいし何よりフードが美味しい。大好きなボロネーゼがその辺のレストランより全然美味しいので、息子たちも大好きなお店。
タイの飲食店は禁煙なのも良い。本当に良い。
ビアバーというくらいで世界のクラフトビールを扱っているのが売りのお店なのだけど、彼らにとっては「美味しいボロネーゼがあるお店」。

昨日も友人と一緒に行って来た。
いつもいる店員さんにもしっかり顔を覚えられていて、席に着くなりスパゲティか？と聞かれる。
オーダーを通した後は戻って来て長男の遊んでいるゲームを一緒に見ながらオーとか上手だとか言い、次男をかまうのも忘れない。
タイあるあるというか店員さんがすごく多いので、仕事しながらもちょいちょい子供にちょっかいを出す余裕がある。
そしてお客さんというより親戚の子供みたいな扱いだ。

ボロネーゼと鶏の手羽先揚げといういつものメニューを平らげて、母がおしゃべりに興じてる間ゲームで遊んでいた子供たち。
21時も過ぎたしそろそろ帰るよと言ったけど全く動く様子がない長男。
すると店員さんが長男のぽってりしたお腹を揉みしだきながら「ほら、ウワン帰るぞ！」と何度も言うので笑ってしまった。

ウワンはタイ語で「デブ」という意味です。
その通りで太っているし、ウワンウワンと言いながらお腹を触ってくる人は全然珍しくないんだけど。
日本で店員さんがお客さんの子供を捕まえてこれやったらどうなるんだろうな、とちょっと興味深かったりする。
やる人いないだろうけどさ。

ちなみにタイ人の言う「ウワン」にはかわいいという意味も入ってるのよ。表情と言い方からそれが伝わってきます。
タイの人の距離感はすごい。
長男もすっかりデブと呼ばれかわいがられるのに慣れて、自分のお腹が好きだと言う。
正直やせて欲しいけど、デブと言われても全然傷つかない環境はすごいと思うし、なんかありがとう。笑

連れて行った友人も気に入ってたので、また近々ごはん食べに行こうっと。

(8/100)

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