人と動物の関係を考える【実験動物の存在に思いを馳せる】
おはようございます。”おこめさん”です。
皆さんの生活に欠かすことができない存在、「実験動物」について知っていますか?
とくに医療の発展はこの実験動物なしにはなりたたないほど、人間に貢献してくれているといいます。
たくさんの動物の犠牲の上に今のぼくたちの生活が成り立っているのです。
この事実を知っているだけで、また一つ感謝できることが見えるかもしれません。
ということで今日は、学校では教えてくれない「実験動物の存在に思いを馳せる」編です。
参考
おこめさん→教員10年の後、4月から独立、6月からオンライン塾を開校予定。2021年3月末まで半年間の育休取得の2児のパパ。
※ここでいう学校では教えてくれないというのは、公教育の土台の中にこのカリキュラムが組まれていない(そんな隙間がない)ということで、熱心な先生の中には個人的に伝えている方もいらっしゃいます。ただ、仕組みとしてはそうなっていないよね という問題提起も含めてです。
著書の紹介
この本は、「仕切られた動物観を超えて」というのがサブタイトルになっています。
仕切られた動物観をつくっているのは、「仕切られた関心」と「仕切られた専門知」であるといいます。
▼仕切られた関心とは
自分が関心を持つ立場の動物以外には、さほどの関心を持たないという意味です。
例えば、ペットを心から愛している飼い主であっても、彼らに食べさせるさまざまなフード類は、畜産動物を過酷に狭いスペースで飼育した格安の畜産物から製造されていることを考えない人が多い ということなどです
▼仕切られた専門知とは
それぞれの動物ごとに学問体系や実務的な制度の担い手がいて、長らく蓄積されてきた専門知や技術が重要視されていることで、多くの場合、自分の専門の垣根を超えた他の分野との交流がなされていない現状があるということです。
こうした仕切られた動物観があるなか、その仕切りを超えるためにさまざまな専門の方が一緒に書かれた本、
それが今回紹介する本なのです。
そして、その専門とは「実験動物」「畜産動物」「愛玩動物」「野生動物」「動物園動物」の5つの分野です。
今日はこれらの中で、もっともぼくたちの目に映りにくい、「実験動物」についてまとめていきます。
「実験動物」とは
研究、教育、科学上の理由により利用される動物のこと を指します。
もう少し具体的にいうと、医薬品の開発や、畜産動物や愛玩動物の試料の開発、医学生の手術手技のトレーニングなどのために利用される動物のことです。
これらの目的で使用されている動物はマウスやラット、サル、ビーグル犬、ウサギ、ハムスター、モルモット、スナネズミ、ジャコウネズミなどがあげられます。これらを匹数でみると、その70~80%がマウスが占めるといいます。
とくに、生命科学や健康増進に大きく貢献してくれている存在であって、新しい薬の開発やその安全性の検討に、実験動物を用いることは必須の研究手段だそうです。
例えば、2015年までに与えられた106回のノーベル医学生理学賞のうち、94回(89%)は実験動物が使用された研究だといいます。
IPS細胞の作成もマウス細胞から、イベルメクチン(寄生虫の駆除剤)もラットやマウスを使ったもの、オートファジー研究も今や哺乳動物細胞を使ってすすめられているといいます。
これらの動物のお陰で 私達の健康や病気の治療、寿命の延長につながっているのです。
そして、これらの犠牲なしにはこれまでの発展もなかったのです。
実験動物への配慮
実験動物を使った研究は所属する研究機関が実験動物を管理する方法(これにも問題があるようですが)がとられていて、むやみに命を扱うということには規制がされています。
その上で実験動物に対して、大きく2つの配慮があるといいます。
▼生きているときの動物の福祉を守る
これは動物が実験に供されるまで、さらに実験後にその動物が生かされ、観察されている期間に、十分な福祉的な配慮が必要だという考えです。
そのため、外部から連れてこられた実験動物は、その動物にとって快適でストレスの少ない、かつ適度な刺激のある環境を提供するように配慮されています。
もちろん、死後の動物を慰霊するという日本古来の考え方や習慣もありますが、それをしさえすれば生前に何をやっても許されるということではありません。
だからこそ、実験動物が生きている間、その生活の環境をいかにその動物にとって豊かなものにするかを日夜考え整えているといいます。
▼実験自体に対する考え方
これは3Rという概念が大事になるといいます。
3Rとは「動物を用いない実験への置き換え」「使用する動物の削減」「洗練された実験手法の使用と痛みの低減」これらの3つの頭文字をとったものです。
その実験を3Rに照らすことが実験動物に対する配慮でもあるのです。
痛みへの配慮
では実験動物の痛みをどのように捉えればいいのでしょうか。
そもそも動物は人と違って痛みを訴えることはできません。
そこで世界中の研究者のコンセンサスとして、科学的な証拠がない限り「動物の痛み感覚は、人のそれを同じである」とされているようです。
動物へ施すある実験処置の苦痛の程度は、もしその処置が研究者本人に施された場合に、どのような苦痛を感じるかを推測することによって、動物への苦痛を類推しているといいます。
そのため動物実験であってもその動物に合わせた麻酔をその動物にあったかけかたで慎重に使われているそうです。
おわりに
今日は動物について、特に実験動物について扱いました。
ぼくもこの本を読むまで、あまり深く考えたことがなかった内容でした。
そして今では知らないですましていいんだろうか と考えるようになりました。(だからこうして記事にしました)
ぼくたち人間は、知ることで思いを馳せることができます。
これまで人類の発展のために犠牲になった動物の数は計り知れないと思うし、これからもそうなのだと思います。
それを受けて、じゃあ動物実験はなし とも割り切れないです。
日夜続いている研究が、いつかの自分や奥さん、子どもたちの命を救う助けになる と思うと、それはありがたいって思うわけです
そういう点からもぼくは、少なくとも実験動物に思いを馳せること、感謝して生きること、それこそが大切なのかなって思いました。
皆さんにこの機会にぜひ、考えてみてください。
今日もここまで読んでくださってありがとうございました。
ブログ こめたか
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