口をあけて餌を待ち続ける雛を育てるか、自分で餌を取りにいける雛を育てるか【挑戦し続けたい問い】#618
おはようございます。(今日の記事は2000文字です)
7/6 研究授業が終わりました。ずっと背負ってきた大きな荷物をおろせたかのような、そんな開放感がありました。授業をする上で時にはこうしたプレッシャーや集中的に研究する期間があることは自分に大きな学びを与えてくれるんだっていうことを感じました。 おこめさんです。
今日はいい授業ってどんな授業なんだろうってことをぼくなりに考え直してみたいと思います。(昨日の研究授業をうけて、考えてみたいって思いました)
おこめさん→10年の公立中学校勤務を経て独立。公立学校を外側から支えるために、オンライン塾を設立・運営。子ども~大人までを対象としたライフビジョンコーチとしても活動。半年の育休を取得した朝活大好き2児のパパ
▼いい授業
これの主語は言うまでもなく
「子どもにとって」
です。
では、今この瞬間の子どもにとって、なのか
その子の将来にとって、なのか
でいうとどっちでしょう。
どっちもって言われたらそこまでですが、どちらかを選ぶっていう視点でいうとどちらを選びますか?
たぶん、いい授業について考えるということは、この2つの選択肢について考えるってことにも近いような気がします。
その瞬間の子どもたちにとって という点でいうと「面白い!」「これならできそう!」「やってみたい!」と思わせる授業でしょうか
将来の子どもにとって という点でいうと
子どもが自分で未来を切り開いていく力が身につくとか
自分のことをちゃんと自分が認めてあげられる力があるとか
そういったことでしょうか。
▼子どもを徹底的に引き付ける授業
昨日見せてもらった授業では、子どもたちのほとんど全員が前向きに授業に取り組んでいました。わからないことをわかった!!っていいたいし、そのために先生の説明はしっかり聞いていきたい
授業にみんながついてきている(人によってはくらいついている)
そんな感じを受けました。
同じ学校に勤務するものとして、あそこまで学びを放棄した(ように見える)子どもを惹きつけ続けるっていうことがまずすごいって思いました。
自分なんてどうせ
とか
そもそも面白くないし(タブレットの方が面白いし)
みたいな思考になって投げ出していないってことがすごいなって思ったのです。
では、その授業者の先生はどのような工夫をしていたか というと
「エンターテイメント型授業」を徹底的に作り込んでいる感じでした。
・先生が遊園地の案内役で、それぞれのステージについて紹介する。
・それらを越えたいと思わせる声掛けを行い
・そもそも越えられるって思えるようなスモールステップを設計している
・それらすべてを楽しんでクリアしていけるような仕掛けがある
・ちょっとでもがんばれたときに瞬時にポジティブな評価が返ってくる
書き出しただけでもとんでもない量の工夫としかけを用意して授業を作られていました。(しかもそれが研究授業の1時間だけじゃなく普段から)
これらによって、先生の授業はみんなが受けたくなる授業であり
みんなが確かに1歩ずつ成長を実感できる(自己肯定感があがる)
そんな授業になっていました。
▼それによって失ってしまうこと
・子どもが自分から学びを掴みに行くような 粘り強さや
・自分からステップを作っていく力
・友達の力を借りて課題を解決していく力
そういったものでしょうか
巣で口を開けてまっている雛に餌をあげるような 丁寧すぎる授業では、育たない力はたしかにあります。
とはいえ、この例えでいえば、 ほんのすこし外に餌をおいておき 巣から兄弟たちと協力しながら飛び出してみる、ちょっとした距離を歩いてみる
みたいな課題をみんなが挑戦できるか というと
それもまた違うような気がするのです。(そもそもそれはめんどくさいし、それなら巣でまっている選択をしそう)
勉強しなかったら今すぐ死ぬわけでもなく
勉強というものがタブレットよりも魅力的でもない
そういう子たちにとって、 ちょっと背伸びしないといけない課題に挑戦するってことのモチベーションはなかなか湧いてきにくいのかもしれません。
▼それでも挑戦する価値はある
それでもちょっと頑張ってみて、自分たちの力で確かに解くことができた
という経験を味わうと、それはそれでエンタメ以上の楽しさ、喜び、効力感が味わえるはずで、
本来的に味わってほしいものを提供し続け、
少しずつその味に気づいていけるような
そんな積み重ねが大事なのかなって思いました
これからも週に一回の授業ではありますが、挑戦し続けたいって思えました。
ぼくはエンタメ型の授業はできません
だけど、だからこそ教科の本質的なところの魅力に触れられる機会をたくさん届けて、それも自分たちで見つけていける そんなワクワクできる授業をやっていきたいです。
今日もここまで読んでくださってありがとうございました。