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コロナでやられてるネパール人の知り合いに1万円貸した話
以前ネパールに一人旅をした際に知り合った彼とは、帰国後も、SNSを通じて交流を続けていた。
そんな彼は昨今のコロナ不況などの影響で職を失い、収入を得られていない状況であると言う。
なんやかんやと様々な話をした上で、私は彼に金を貸すことにした。
彼によれば、住居の家賃支払いが最緊急であるらしい。
1ヶ月分の家賃は、日本円で1万円程であるとのこと。
私自身の経済状況を鑑みて、1万円の支出は大きな問題ではないと考え、彼に1万円分の現地通貨である、ネパールルピーを送金するに至った。
しかしながら、思うところは多々あった。
まず「金を貸す」という行為は、私にとって容易かった。
彼の元に送金をする作業にかかる、私の労力は些末である。
スマホで1分、ところがこの1分は、彼の人生を大きく変えかねる。
私が彼に金銭を与えることで彼は味を占め、今後友人・自分のような外国人に、もしくは誰彼構わず、無心をして生きていくようになるやもしれぬ。
ネパール、また隣国インドなどにおける、ストリートチルドレン・乞食ビジネスなどの事象についての議論は絶えない。
彼らにとって、汗水流して働くよりも楽に稼ぐ手段はそれらであり、私の行動はそれを助長しかねない。
ただ私の中に、「困っている人を助けたい」という欲求があることもまた確かだった。
彼の言うことは、真実であろうか?
彼は、この金を返済するだろうか?
(注: この度の送金は「寄付」ではなく、「貸与」であった。)
また、彼は言っていた。
「ネパールは貧しい」
「ネパールの賃金は安い」
「ネパール政府は俺たちを救ってくれない」
「日本は裕福だ」
まあ間違ったことは言っていないのだろう。
「物質的豊かさ」について言えばまあ、日本はネパールに勝るのだろう。
「精神的豊かさ」については...どうだろうか。
ただ彼と話していて、彼に現状を打破できる能力・またその意思などは微塵も感じられなかった。
彼以外にもネパールに知人はいるが、「今困っていて...」というように泣きついてきたのは、本稿の彼のみだった。
言うなればおそらく「どうしようもない奴」だからこそ、この現状況に直面しているわけで。
自分がおこがましくも、誰かを「救済」しなければならないとするならば、その対象者は彼のような者になるのだろう、とも思った。
フラットな目で見れば、ネパールの貧民がどうなろうが知ったことはないわけで、現にいろんなものから目を背けて私は生きているわけで。
しかもこれで金が返ってこなかったならば、私はしっかり「傷つく」だろう。
正解とは何か?
なんて考えていても、まあどうなりもしないというか。
ボランティアをやるにも金が要る。
自身を生からしめることが出来てようやく、ボランティアができるわけで。
書きたいことはもっとあるけれども、ひとまずはここら辺でストップしたい。
映画『Les Misérables』(2012年版)
を久方ぶりに観て、いてもたってもいられず書き殴ってみた。
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