『サイゼデート楽しいね』
僕も恋人もサイゼデートにハマっている。
今までサイゼリヤの店舗が付近に存在しているのを知らなかっただけに、見つけたときは狂喜乱舞した。
料理が安い。
ワインが安い。
兎にも角にも美味しくて安い。
ボトルワインなんぞを頼んだりして文字通り呑気なものである。
巷ではサイゼリヤを初デートにセレクトする是非でよく盛り上がっている。
本当にサイゼリヤが好きな人間もいれば、女性を試す目的で連れて行ったりもするようだ。
なるほど、いろんな思考が入り乱れていて、どういう意図であれ、こんな論争がある最中「サイゼリヤ初デート」をキメられた日には、もう人間不信に陥ることは避けられまい。
要するに、「この人素敵☆」となる要素がほぼないんだから連れて行くだけ損である。
確率的にやめておけばいいだけの話。
止めないけど。
逆に、サイゼリヤってのは、そのラインを超えた先のユートピアなのだ。
信頼関係が確固たるものになっているからこそ輝ける神秘の森。
たくさん頼んで、飲んで食べて、手元の伝票を見てフフンとするのが至福なのである。
もし子どもがいて、たくさん頼んでも、それほど料金がバクアゲしないのもいい。
ドリンクバーなんてものもあるので、子どもなんぞは大量に炭酸水飲んで自動的に満腹になるので好都合にもほどがある。
一般的にファミリーレストラン扱いなので、ファミリーにならないと楽しめないのだ。
初デートはまだファミリーじゃないでしょ。
知り合いですらないでしょ。
逆に参入障壁が高くて、君たち新参カップルには資格はないのだよ。
女性を試す以前に、お前が試されている事に気づかないといけません。
サイゼリヤを覗く時、サイゼリヤもまたこちらを覗いているのである。
もう一度いうが、初デートではないサイゼデートは最高に楽しい。
「サイゼデート楽しいね」=「あなたといると楽しいね」。