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音楽とお酒が連れてくるもの
ここのところ七尾旅人ばかり聴いている。
もともと音楽には疎くて、なんとなく耳に心地よいもの、教えてもらったもの、映画のサントラや仕事場で流れるラジオを適当に聴いていたのだけど、ここ最近は家にばかりいるので聴くものは自分で選ばねばならない。
さらさらと流れていくようなものも良いけれど、何かもうちょっと胃の奥に踏み込んでくるようなものが聴きたいらしい。それが、七尾旅人。
芋づる式に君島大空というひとも知った。それで、君島大空を聴きながらこれを書いている。
そういえば今までどこで音楽を聴いていたんだろう。
それでほとんどがお酒を飲みに行って、そこで聴いたり知ったりしていたんだと気が付いた。だから、音楽というものは誰かしらと一緒に聴いていて、そのひとと話したこととか、そのときの雰囲気とか、そのときの自分の気持ちとかを一緒に連れてくる。
KISSを聴いて甘酸っぱく焦れた気持ちになる人はあまりいないと思うけど、私がそうなるのは多分10代のことに聴いていたからなんだろうな。(去年の紅白では、だから不意打ちを喰らった気分になった)
椎名林檎と赤ワインの取り合わせは、ちょっとまだ聴けない気がする。20代のあれこれは初めてのことが多すぎて強烈すぎた。
大滝詠一とシェリー酒からはじまった30代は、迷って、惑って、開き直って、少しずつ楽になっていった。逆に音楽を聴く暇があまりなかった気がする。
それで、40歳になって、七尾旅人。
言い方悪いけどなんだかぬけぬけと不意に「会いたい」とか歌われるとびっくりして胃の奥がぐっと押されたような気分になる。そうして気が付いたら自分で口ずさんでいてやっぱりびっくりして、それでずっと聞いている。
ちなみに最近は日本酒を飲んでいるけど(赤ワインもシェリーも飲んでいる)
ずっと後になって、今聴いてる曲を聴いたときに、日本酒飲んだときに、誰を思い出すんだろう。
などと。
<昨日のんだ日本酒>
刈穂の百田:味深いのに後くされなくておいしい。
</昨日のんだ日本酒>