電子文書は分類しないほうがいい
パソコンのローカルストレージやクラウドストレージにファイルとして電子文書を置く際の話。
従来の紙の書類を整理整頓することからのアナロジーで、ついつい多階層のフォルダー階層を作って、「この種類の書類はこのフォルダーへ」とせっせと分類して格納してしまいそうになるのだが、それは電子文書には向いていない。というか、電子文書にはもっと向いた整理整頓法がある。
それは、「全部まとめて一つの場所に入れて、使う時はコンピューターの全文検索機能に頼る」というもの。
もちろん、「全部まとめて一つの場所に」というのは極論で、実際のところは大まかに分けたほうが効率がいいことも多いし、また技術的制約からファイルシステム上でフォルダーとして分けないと使えない機能もあったりはする。
だが、一つの理想形として、「全部まとめて一つの場所に」というのは意識したほうがいい。
この方法の最大のメリットは、「この書類はどの場所に置いたらいいのか」ということに頭を悩ませる必要がなくなること。分類法が複雑になると、このことで頭を悩ます時間が長くなり、このコストが馬鹿にならなくなる。
逆に言えば、「この種類のファイルであればこの場所に置けばいい」というのが機械的に定まるのであれば、いくつかの場所に分けて入れるのでもかまわない。要するに、大きな目的の一つが、「どこに入れたらいいの?」と人間がいちいち悩まなくても済むようにすること、であるのだ。だから、「写真はとにかくここ!」とか「動画はとにかくここ!」などと決めておくなら、それはそれでありだと思う。
この方法を実現する際のコツは、ファイル名の付け方を工夫すること。
DropboxやGoogleドライブなどの汎用のクラウドストレージと連携させたい場合、アップロード・ダウンロードの際に欠落しないメタデータはファイル名のみだと考える必要がある。なので、タイムスタンプやタグなどの形で持たせたいような付加情報もファイル名に含める必要がある。
自分の場合、ある時点で内容が確定して以後の内容変更がないファイルは、ファイル名の先頭に「20180407 ……」式にその日の日付を入れる。理由は、確定した日付でソートして表示させたいことが多いから。それ以外の付加情報もファイル名に含めておけば、全文検索をかけるより速くかつ確実に引っかかることが期待できる。
とにかく、分類が巧緻過ぎて、「これはどこに入れたらいいの?」で悩む時間が長くなるのは本末転倒だと思うのだ。
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