藻琴山
日程:2004年4月4日
メンバー:単独
少し朝寝坊をしましたが、早々に挨拶に行かねばならない場所がぼくにはありました。
いつもぼくたちを見守ってくれている藻琴山(1,000m)です。
そそくさと準備をして、2年振りになる藻琴山を山スキーで一人で登ってきました。
春は雪山登山も、イトウの産卵調査も、ニジマス釣りも、いろいろと忙しいのです。
札幌生活での後半は意欲的にアウトドアなどしなかったので、やはりバテバテです。
日々のお酒やタバコ、都会でのストレス、脇腹のゼイ肉で、体はナマっているのです。
息も上がりやすく、さらに膝まで弱くなっているのが、よくわかります。
久しぶりの藻琴山、季節は4月初旬、すでに斜面のハイマツも出てきています。
このまま雪解けが進むと、峠からのルートはあと1週間で使えそうにありませんね。
休憩をとるたびに左手に見渡せる大きな屈斜路湖はまだそのほとんどが結氷中のようで、その湖面に雲の影がゆっくりとうつろってゆきます。
わっせわっせと冬山登山装備と山スキーで登ります。
気温はプラスになっているようですが、南から吹く風もまだ冷たく感じます。
というより、やはり不摂生・不健康な生活を送ってきたぼくには、余計に冷たく感じるのでしょう。
後ろには斜里岳から海別岳、そして知床連山が望めます。
摩周岳や阿寒の山並みも曇り空の中に座っています。
屏風岩の地点で、先行していた人たちとやあやあと挨拶をしました。
頂上までいつもは1時間もかからないのに、1時間ちょうどかかってしまいました。
それにしても、相変わらず愛しやすく手軽でいい山です。
誰もいない頂上に着き、『2年間ご無沙汰していましたー。やっと還ってきましたー!
これからもよろしくお願いしまーすっ!』と、大声でオホーツク一円に叫びました。
何だかそれでぼくの札幌2年間は、ようやく想い出とできたような気がしました。
下山はスキーのシールを外し、東沢を道道102号線へ向けてシュプールを描きました。
そこはエゾマツやトドマツの静寂の空間。
スキーでその中へと滑り込むと、木々たちが左右にビューと、よけてくれるようです。
エゾユキウサギがぴょんぴょんと駆け、木の根元の穴へと消えてゆきます。
下山後は、また温泉へ行き、無事に藻琴山へ挨拶をすぐに出来たこと、横腹につかめる程あったゼイ肉がなくなったことに満足し、「なんかさ、まだやるじゃん、オレ!」と、雪焼けした自分の顔を見て思うのでした。